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中国四国地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]

『せとうち大三島 台海岸いきもの・自然観察会』が行われました!

2011年09月28日
松山
過ごしやすい季節になってきましたが、みなさまいかがお過ごしでしょうか。
松山AR齋藤です。

9月10日にふれあい行事「せとうち大三島 台海岸 いきもの・自然観察会」を実施しました。
今回は、瀬戸内海に浮かぶ、大三島の台海岸で初の観察会。
参加者が集まるかどうか気になっていたのですが、スタッフあわせて26名、天気も暑いくらいに良く晴れ無事に観察会を行うことが出来ました。

《午前中:台海岸の植物観察》
台海岸周辺には、川や塩性湿地、干潟などの様々な自然があります。
午前中は台海岸とその周辺を散策し様々な植物や生き物を観察しました。

鷲ヶ頭山から台海岸へと流れる台本川は、愛媛県でも大明神川とならんで有名な天井川です。

写真手前のガードレールの下が台本川。水は流れていなかった。
写真右上:鷲ヶ頭山 


台本川から海岸へと進んでいくと淡水と海水が混じり合う汽水域、塩性湿地があります。
そこには環境省潤別滅危惧(NT)に指定されているシバナがひっそりと生えていました。
他にも、アシハラガニやカクベンケイガニなどおおきなカニがいました。
メダカがいることにはみなさん驚かれていました。


塩性湿地 赤で囲んである植物がシバナ

さらに進み台本川河口では干潟の植物と海岸の植物両方が生育しているめずらしい場所だと教えてもらいました。





台本川河口 手前はハマサジなどの干潟の植物が広がり、奥には海浜植物のハマゴウの群落が広がるめずらしい群落


《午後:干潟の生き物観察》
午後からは台本川河口に広がる干潟で生き物観察をしました。
みんなで壁にひっつく貝を見ました。高さによって貝の種類も違い、
上ほど水が嫌いな貝で下の貝は水が平気なのだとか。


みんなで壁に張り付く貝を観察しています。

一見同じようにみえるニナも実は種類が違い・・・。
台海岸には3種類のニナがいるので、自分なりに違いを見つけて3種類探してみました。
今回は3種類見つかりませんでしたが、ここ台海岸にはウミニナ、ホソウミニナ、フトヘナタリがいることを教えてもらいました。


ウミニナとホソウミニナの違いを絵に描いて説明。貝殻の口の内側が白く張り出していたらウミニナ、そうでなかったらホソウミニナ 


8月31日の下見時にて
左:ホソウミニナ 真ん中:ウミニナ 右:フトヘナタリ

みなさん、干潟のいきものを見つけようと一生懸命穴をほっていました!

どんな生き物がいるのかなぁ?

見つかった生き物の種類と名前を分けていきます。

左上:取りまとめの様子 右上:アサリやマテガイなど
左下:ナベカ     右下:オウギガニの一種

最後はチゴガニの観察。
チゴガニは影と震動によって危険を察知して巣穴に身を隠してしまうため、みんなでじっと動かずに巣穴を見つめました。
すると。。。餌を食べたり、けんかをしたり、普段見ることの出来ないチゴガニの生活をじっくり観察できました。


みんなで一列に並んでチゴガニの観察。動かないように!

今回の観察会では、豊かな自然に生きる稀少な植物やいきものをたくさん観察できました。
私たちの身の回りにも普段気づいていないだけでさまざまな植物や自然があります。
ちょっと意識して身の回りを散策してみると稀少な自然やいきものがひょっとしたら見つかるかも知れません。

また、地元の方々にお話やお茶などの差し入れをしていただき、地元の方々の優しさに触れ、大三島の自然を思いっきり楽しめた一日となりました。
ご協力下さったみなさまありがとうございました。

最後に、当日観察できた『生き物リスト』です。興味のある方はご覧下さい。
↓中国四国地方環境事務所HPより
http://chushikoku.env.go.jp/to_2011/data/0930c_2.pdf