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中国四国地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]

矢尻作り体験

2011年08月09日
松江
事務所のある松江市では、6日・7日と街のお祭り「水郷祭」がありました。
いや~暑かったです! 私は7日野外の特設ステージで歌手の小柳ゆきさんのミニライブに行ったのですが、出番を待っている間にすでにバテてしまいました。

それとはまったく話は変わりますが、前日の6日に私は矢尻作りを体験してきました。矢尻?そう“ヤジリ”です。
これは隠岐ジオパーク展の一環でおこなわれたものです。(松江市のタウンプラザしまね2Fで8月20日まで開催)、
隠岐は縄文石器の材料である黒曜石の産地なんです。
黒曜石が日本で採掘・利用されていたのは、6箇所ほどしかないそうで、隠岐はその1箇所なのです。


今日教えてくださるのは、隠岐の石器作り名人斎藤さんです。
まずは再現された弓矢を見せてくれました。
そして石器で新聞紙をスパースパーっと切って切れ味を見せてくれました。

子ども達は身を乗り出して見入ります

いよいよ矢尻作りです。名人が作り方のお手本を見せてくれました。
作り方は、矢尻サイズに割った黒曜石の端を鹿の角の先で剥離(はくり)させて刃を作っていくのです。鹿の角は決して演出ではなく、鹿の角でないとうまくいかないのだそうです。
さあ子ども達も矢尻作りに挑戦です。
子ども達は一生懸命力を入れて鹿の角を押しこみますが、力むばかりでなかなかうまくいきません。

「姿勢が悪いな~」と名人 親切に指導します

私もやってみましたが、これはなかなか難しい。力の入れ方と角度のコツがつかめない。
それでも子ども達は少しづつ剥離出来るようになってきて、刃らしきものが出来てきました。
最後は名人の力を借りて全員完成。
これはなかなか体験出来る事ではないのでは。子ども達にとって貴重な体験となったでしょう。

完成!これは皆に自慢できるぞ!

隠岐の黒曜石は縄文時代に中国・近畿地方そして朝鮮半島にまで渡っていたそうです。
それは縄文時代に朝鮮半島と行き来があった事を意味します。古代ロマンが広がりますね~。

ところで初めに「隠岐ジオパーク」という言葉を使いましたが、「ジオパーク」とはなんでしょう。
皆さん世界自然遺産はご存知ですよね。今年6月に小笠原諸島が新たに認定されました。
ジオパークは地質世界遺産とも呼ばれ、おもに地質などで貴重な場所を世界的に認定するものです。
隠岐は今年9月に世界認定の国内推薦地になる事を目指し、そして来年世界認定を受ける事を目指しています。
皆さんもぜひご注目を!