中国四国地方のアイコン

中国四国地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]

ウスイロヒョウモンモドキ生息調査

2011年07月12日
松江
突然ですが「オカトラノオ」と言う花を御存知ですか。
写真の花がそうなのですが、実は私も実物を見るのは初めて。
美しい花ですよね。



ところで主にこの花の蜜だけを吸う蝶がいるのを知っていますか。
ウスイロヒョウモンモドキと言う蝶です。
この日記でも何度か話題に上がっている蝶ですが、絶滅の恐れがある種をまとめた「レッドデータブック」の中でも危機的状況の絶滅危惧Ⅰ類にあげられています。
今日は三瓶山でその生息調査に参加しました。

道中、森には白い大きな花の様なものが目立ちます。マタタビの葉っぱです。
それとクマノミズキの花が森をにぎやかにしています。

ヤマアジサイも綺麗でした

今年はずいぶんと早い梅雨明けになりましね。この日も暑い一日でした。
ただ山の上は風が強く、危く麦わら帽子を吹き飛ばされそうになりました。
風があるぶん涼しいのですが、蝶には飛びにくい強風です。
虫取り網を逆に持って、柄でススキ草原をなでて、隠れている蝶をおびき出します。
ススキ草原をなでながら蝶を探し出すと言うと優雅なものだと思うかもしれませんが、実際は藪がポコポコあるためスムーズになでられません。それに斜面でデコボコ、イバラに引っかかれ身動きもままならない。私の人生と同じです。

この日は名峰大山を望めました そして島根半島の向こうになんと隠岐も見る事が出来ました(この写真じゃわからないですが・・・)

ススキ草原で花なんて見えませんでしたが、入ってみると一番初めの写真のように「オカトラノオ」があちらこちらに咲いていました。
これは長年ウスイロヒョウモンモドキの生息地を保全しようと、植え続けてきた人々の努力のおかげでした。
この日ウスイロヒョウモンモドキは見つかりませんでした。
いま日本中世界中で多くの種が絶滅しようとしています。
私達の見た目には自然はなにも変わっていない様に見えます。
ですが私達の知らない自然のなにかが、もう失われつつあるのかもしれません。