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中国四国地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]

姫逃池のカキツバタ

2011年06月20日
松江
梅雨の真っただ中、皆さんいかがお過ごしですか。
島根はまだ言うほどうっとうしい気候ではありません。
ただ私の家の台所の流しを、ナメクジがやたらウロウロしているのでそれが嫌なくらいです。

さて三瓶山の麓には、伝説のある小さな池、姫逃池(ひめのがいけ)があります。
その伝説とは・・・話が長くなるので割愛します。
その池にはカキツバタの花が群生しています。
このカキツバタ、以前ほとんど見られなくなった事もあったのですが、多くの方の地道な保全活動によりだいぶ増えてきました。

先日その姫逃池のカキツバタ保全事業に参加してきました。
保全事業とは何をするのか?
草刈です(今回は)。
昨年もそうでしたがこの草刈、例年雨になる事が多く、今年は梅雨入り前に時期を早めたそうなのですが、梅雨もそれに合わせて早まったようです。
ただ今年は昨年には無かったプレゼントがありました。
そうカキツバタの花です。


姫逃池名物 浮島 カキツバタの島は素敵です
島根県の天然記念物にもなっています

今年は花の時期が遅れ花がまだ残っていたのです。
就任2年目にして初めて姫逃池のカキツバタを見る事ができました。

でものんびりそれをめでる暇も無く草刈作業に入りました。
ここには美しい花ショウブも咲いていますが、これは人間が持ち込んだもの。
カキツバタと競合してしまいます。
これはスコップで根こそぎ堀出してショウブ湯にでも使ってもらいます。



草刈をしていたらば、草むらの中から不思議な物が現れました。
ソフトボール大のいびつな楕円の泡の塊。
これ、モリアオガエルの卵でした。木の枝にぶら下がっているのをイメージしますが、地面にも生むんですね。

もちろん池にせり出した木の枝にも、モリアオガエルの卵がぶら下がっていました

池の中では腰まで浸かって綺麗なスイレンを引っこ抜いています。
これらは池の水の蒸発を進め、池を小さくしてしまうのです。
陸化が進むと、カキツバタも減ってしまうのです。
スイレンもまた人が持ち込んだものなのです。


胴長の周りにはヒルが寄って来ていたそうです・・・ お疲れ様でした

作業の後は地元のお母さん方手作りのおにぎりと漬物と豚汁。
そして今この池で採ったばかりのジュンサイ。
これがたっぷり入ったお吸い物をいただきました。ん~、なんてゼイタク。
でも高級なジュンサイもこの池では繁茂しすぎてやっかい者。食べてあげないとね~!
皆さんのご努力のおかげで、来年はカキツバタの花がよりいっそう多く見られるのではないでしょうか。


雨の中皆様お疲れ様です こんな肌寒い日は豚汁がしみました(涙)