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中国四国地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]

竜串湾流域のにごり

2011年05月30日
土佐清水
今年はやや早めの梅雨入り。
四国も5月26日に梅雨入りしました。
平年より10日ほど早いようです。

台風2号が接近したこともあり、土佐清水でもまとまった雨が降りました。
しばらく水が不足気味で川に水が流れていなかったので恵みの雨となったところもあるかもしれません。

竜串自然再生事業の関連として、竜串湾へ注がれる川の定点撮影を行っています。

今年(台風2号後、5月30日撮影)

今回の累計降雨量(5月26~29日)は、三崎で185mm。
(国土交通省 川の防災情報参考 http://www.river.go.jp/nrpc0303gDisp.do?mode=&areaCode=88&wtAreaCode=7431&itemKindCode=901&timeAxis=60

先日台風2号が来て、泥土の流入が心配になりましたが、今回の影響はほとんどなかったようです。

平成13年の西南豪雨時が顕著でしたが、大雨が降る度に三崎川を経由し泥土の混じった濁り水が竜串湾へ大量に流入していました。
その泥土が湾内のサンゴや魚など海洋生物の生息に影響を及ぼし危機的な状況に追い込まれたことをきっかけに自然再生事業が始まりました。
地域住民、専門家、関係団体、行政などが協力し竜串湾の自然環境再生を願って現在も活動中です。

海では海底に沈んだ泥土を除去し処理する作業を続け、山では過密になっているスギヒノキ林の間伐を続け、河川では治山ダムや川にたまった土砂を取り除いたり水質調査などを行い状況を把握しながら、森・川・里・海の竜串湾流域約8100haで広域な取組が地道に行われていました。

その甲斐あってか、100mmを超える累計降雨量があっても、最近ではひどく濁った水が流入することが減ってきているようです。
多少濁っても半日程度で濁りは落ち着いているようです。
まったく同じ条件での比較ではないので明らかなことは言えませんが、
定点撮影より抜粋した経過変化はこんな具合。

2006年

2007年

2008年

2009年

2010年

森川里海でそれぞれの地道で継続的な活動があり、その結果が今日に表れているものと思います。

※正式な水質調査は外部業者により行われていますが、当所でも視覚的な変化観察として定点撮影をして見守っています。