中国四国地方のアイコン

中国四国地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]

3年ぶり。黒い船上山

2011年04月18日
米子
船上山は大山山系の東に位置し、
垂直に切り立った通称・屏風岩と呼ばれる岩壁が特徴の山です。
この船上山で、先週14日に3年ぶりとなる山焼きが行われました。
山焼きは主に草原景観の保全、害虫駆除などを目的として行われています。
船上山は大山山系の中でも草本植物の宝庫といわれているのですが、
それは草原環境が維持されることによって
背の低い草本植物にも日の光が届き、たくさんの植物が生育できるためです。


◎山焼き開始。
3年の間に増えたササが、バチバチと大きな音を響かせながら燃えていきました。


◎山焼きの遠景
山全体から煙がもくもくと上がっていました。
見物に訪れていた人もたくさんいました。


◎約5時間後、山焼きが無事終わりました。
真っ黒になった斜面が印象的。

かつて牛馬のための草刈地、茅葺き屋根の材料の採取地として
各地で草原環境が維持されてきました。
しかし現在では草原はその役割を終え、手間や危険が伴う山焼きを行う地域は減少し、多くの草原は雑木林へと遷移しています。
森林になった方が環境にはいいんじゃないの?という人もいますが
森林には森林の、そして草原には草原の生きものがいて
それぞれが豊かな生態系を作っています。
山焼きを行い、草原環境を維持することも大切なことです。

3年ぶりに真っ黒になった船上山を、ぜひ見に来て下さいね。