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中国四国地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]

鳥の標識調査

2011年04月15日
松江

松江は今満開の桜の季節を迎えています。ぽかぽか陽気に「こんな陽気のままならなあ」と思う私です。

環境省では野鳥を捕獲して足環等を着けて離す、標識調査(バンディング)を専門機関への委託によりおこなっています。
これは渡り鳥などの行動生態を把握するための調査です。
日本に飛んでくる渡り鳥がいつ頃来て、いつ頃去り、どこから来て、どこで、いつ繁殖しているのかなど。
そう言った事は知られているものだろうと思っていましたが、やはり調査しないとわからない事が沢山あるのですね。
そのような生態を把握することが野鳥の保護対策を立てるためにも必要になります。


1羽1羽データを記録する事の積み重ねによって解明されていくことがあります

今回私はこの標識調査の現場にお邪魔してきました。
その調査を現場でおこなってくださっているのが、ボランティアの調査員(バンダー)の方々です。
私は8時ごろ現場に行きましたが、調査は早朝暗いうちから始め夕方までおこなうそうです。
これを1ヶ月ほど毎日続けます。

捕獲した鳥は幾つかデータを記録します。
そして刻印の入った足環を取り付けます。
これが他の地域、他の国で見つかることによってその行動生態がわかってくると言うわけです。
もちろんここで捕獲された鳥に足環が付いれば、その刻印によってどこでいつ離された鳥であるかがわかります。
世界各国の協力によってこの調査がおこなわれているのです。


ありがとう さあお行き

この調査により研究成果が見えてくるまでには時間がかかります。
この日お伺いした調査員の方はもう20年もおこなっていらっしゃるスペシャリスト。
このような地道な調査の積み重ねにより、今までわからなかった渡り鳥たちの行動が少しづつわかってきたとの事です。

この日は20年間おこなっているスペシャリストが初めてと言うハギマシコと言う鳥が捕獲されました。
紅色を含んだ美しい鳥です。
私はなんとラッキーだったことでしょう。
この様な場合は写真を撮り、各部位などを計測し詳しくデータを取り離します。


これがハギマシコ 
写真などでデータを残すことにより貴重な記録となります

こんなに野鳥たちを間近に見る事は私にとってなかなかない貴重な体験でした。
間近に観察し、寸法などを測ることにより、双眼鏡を覗いての観察ではわからない事が見えたりわかったりと言った成果もあるそうです。

この調査員になるには鳥への専門性が必要なのはもちろん、捕獲のやり方鳥の扱い方なども指導を受け習得しなければおこなえません。
そのようにして資格を取り、ボランティアで早朝から調査してくださっているのです。
三度の飯より鳥が好き、でないとなかなかやれる事ではありません。
調査している最中にも鳥達への愛情を感じました。