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中国四国地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]

屋島南・北嶺を歩こう!

2011年03月25日
高松
ついこの間まではポカポカ陽気だったのに、この寒さ・・・。
桜の開花はいつになるのでしょうか。

そんな中、瀬戸内海国立公園制定日である3月16日に香川県主催のウォーキングイベント「屋島南・北嶺を歩こう」が開催されました。
昨年に引き続きの行事ですが、今年は距離を拡大し南嶺も歩きます。
南嶺では、屋嶋城城門の復元作業が行われており、それについての説明も今回の行事で聞けるという歴史好きにも楽しめる内容。

朝、冷たい風の吹く中、準備体操を念入りにして出発!
昨年同様、浦生(うろ)の鴨羽神社を横切り、古道を歩きます。
ここは整備されている歩道と違って、「山道」という雰囲気が楽しめるので、歩き慣れた人にオススメ!ただ、目印はピンクのテープのみ。


冷たい強風でしたが、林の中なので平気です。

1時間弱で南嶺・お茶屋さん桃太郎前に到着。
ここも眺めがいいのですが・・・生憎の曇り空で霞んでいました。

その後、展望地「獅子の霊厳」、屋島寺を抜け屋嶋城門跡に到着。
ここで高松市教育委員会文化財課 山元さんから説明を受けます。



屋島は7世紀中期、唐・新羅連合軍からの防衛拠点として築かれた古代山城。
日本書紀には、文献として一文だけ残っており、1922年、1984年に石塁跡や石塁遺構が発見されましたが、実在を示す決定的なものにはならず幻と言われていました。
が、古代山城を研究してきた平岡さんが遍路道に近い場所で、高さ5m近くの石垣を発見したことで、本格的な調査が始まったのです。
現在、大規模な復元作業が行われている城門跡で、断面模型や実際重機を使って作業している現場を見ながら説明を受けるのは、なかなかないと思います。みなさんからも次々と質問が飛び出していました。



そして、今は廃止になっているロープウェー駅を経由し、隠れた展望地「冠ヶ嶽」へ。ここは私も初めての場所で、市街地が一望できるなかなかの場所でした。

お昼休憩は北嶺広場で。
が、何やら白いものがヒラヒラと・・・。雪!!
みんな、この寒さにじっとしていられず、ご飯を食べてすぐ出発。


寒い中でも、林先生のウバメガシの解説はアツいです。

今は湿地になっている「千間堂跡」~抜群の眺めを誇る「遊鶴亭」へと。
そこからは少し岩場になっている歩道を進み、長崎の鼻に到着です。
ここの浜でビーチクリーンです。
潮の関係で、かなりの漂着ゴミが流れ着くこの場所。
可燃・不燃を拾う組に分かれて、みんなで拾います。本当は裸足になって砂を感じながら、ビーチウォークもする予定でしたが、強風の影響で波が高いため中止しました。

拾い始めると夢中になり、何回か声をかけないと戻ってこない参加者も。

この後、元気YASHIMAを創ろう会のみなさんが飴湯でお接待。
ここで体の中と外が一気に温まり、顔がほころびます。
創ろう会のみなさん、寒い中準備ありがとうございました!


短時間でしたが、集めたゴミはこんなに!

予定では未舗装のルートで行く所もありましたが、天候の問題でやむなく断念することも。しかし、終わった後はみなさん満足顔でした。
講師・林先生のお話は面白く、あまり知られていない歴史についても学ぶことができ、充実した1日だったのではないでしょうか。

春はそこまで。
ヤマザクラが咲き、レンギョウやツツジが後を追って咲き始め、野鳥のさえずりも聞こえてくるでしょう。
のんびりと散策して、五感を使って春を感じてみてはいかがでしょうか。