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中国四国地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]

知られざる釈迦ヶ鼻

2011年02月08日
高松
寒さが少し和らいだ先日、小豆島に定点観測に行ってきました。
香川県内屈指の景勝地である寒霞渓のほかに、釈迦ヶ鼻という場所でも年1回定点観測を行っています。

寒霞渓と同じ小豆島内に住んでいる人でも、三都(みと)半島と言えば分かるのですが、この【釈迦ヶ鼻】と言うと「ん??」すぐには分からない人も。


小豆島最南端に位置します。

ここは集落から離れており、聞こえてくるのは船音と波の音。
釈迦ヶ鼻沖は漁船をはじめ、大型タンカーやフェリーの航路になっており、毎日多くの船舶が通ります。一見穏やかに見えますが、沖合は激しい潮流。
そんな場所で、多くの船や船人を江戸時代から見守ってきたのが、釈迦坐像。
以前は海岸にお堂がありました。海岸沿いということで強い浜風を直接受け、お堂の劣化が進み、これまでに4回も改修が行われました。
それでも損壊がひどいため、町おこしグループが保存会を結成し、今夏新たにお堂が建立され、今の場所に安置されました。

釈迦ヶ鼻は別名『お釈迦さま』と呼ばれており、『釈迦ヶ鼻』という名前も半島の先端(鼻)で海の安全を見守るお釈迦さまが由来なのだと分かります。


左のお堂にお釈迦様が安置されています。

釈迦ヶ鼻園地は、お釈迦さまの他にベンチや公衆トイレもあり、また遊歩道を歩いていくと白い灯台が見えます。この灯台までは車道も通っているので、歩行困難な方でも大丈夫。


左;駐車場と公衆トイレ 右;さぬき百景にも選定「地蔵崎灯台」

今はまだ少し寒いですが、暖かくなる頃、訪れてみてはいかがでしょうか。
喧噪もなく、ただただ波音と船音、そして鳥のさえずりが聞こえてくる場所。
何もせず、寝っ転がるだけでもいいし、本を読むにもいい。
目の前に広がる砂浜を歩くのもいいでしょう。
帰る頃には、お釈迦様の顔のような穏やかな気持ちになれる気がする、そんな場所です。