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中国四国地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]

第2回 三瓶山地区子どもパークレンジャー

2010年12月15日
松江
寒くなりましたねぇ。いま松江では強い風に雪が舞っています。
11月末に島根県安来市の養鶏場で鳥インフルエンザが発生しました。
そのため近隣である宍道湖での野鳥の巡視強化など、対応で忙しい日々を過ごしていました。
そんな中、私にとってもう一つ大きな企画が迫っていました。
子ども達の自然体験学習活動「子どもパークレンジャー」です。
松江事務所の今年度2回目の活動が、国立公園の三瓶山で1泊2日の日程でおこなわれるのです。
私はアイスブレイクや朝の集いなどを担当する事となり、慣れない事に頭を悩ませ試行錯誤していました。
さらに開会閉会式のあいさつなども急きょやる事に・・・。

今回のテーマは「三瓶の森の豊かさを調べよう」と言う事で、森の土の様子を観察し、そこに住む生き物たちを調べました。
三瓶山は数日前に降った雪が残り、子ども達は野外に出るたび雪合戦を始めました。
それでも寒い中、地面をほじくり枯れ葉が土に変わる様子を観察し、生き物を熱心に探していました。


何かいないかな?寒さなどおかまいなし。地面をほじくります。

翌日にも森の中を散策し、三瓶自然館の学芸員の方の指導で、もう一度土の中の虫たちを探しました。
その甲斐あって回収容器の中は、土の中の虫たちの小さなワンダーランドと化しました。
ザーという森をゆらす風音が鳴る静けさの中に、子ども達の元気な声が聞こえました。


今日は色々見つかるぞ!雪の下にもこんなに生き物いるのか

室内では採って来た土から、小さな生き物たちを探しました。
子どもたちは目を凝らしてのぞき込みます。その表情はテレビゲームをやる時よりも一生懸命です。

見つけた生き物を虫メガネや実体顕微鏡で観察します。
普段見る事のない小さな生き物たちの姿。    
その土にいる生き物の種類によって点数が分かれ、土の豊かさを診断する事が出来ます。
ですが見つけた生き物の種類を特定するのは難しく、私たちスタッフも首をかしげる始末。
学芸員の方が、あっちからもこっちからも呼ばれて大忙しです。


女の子達も一生懸命です。

夜にはスターウォッチングをおこないました。
今夜は流れる雲と雲の間から三瓶の輝く星々を観察することが出来ました。
子どもたちは双眼鏡でスバルを観察し、見える星を記録しました。
また天体望遠鏡で月のクレーターや木星の表面をのぞきました。
恥ずかしながら初めて天体望遠鏡をのぞく私は、子ども達より喜んでいたかもしれません。


屋根ごとスライドして星を観察できます。ねころんで星をじっくり観察できるなんてゼイタク。

お風呂では他のお客さんがいないのをいいことに、大浴場で暴れ放題。私もその巻き添えをこうむる事となりました。

今回のテーマはカブトムシの様な人気の昆虫や美しい花でなく、普段目を向けられることのない土とその中の小さな生き物たちと言う地味な題材でした。
ですがなかなか面白い活動となり、子ども達も関心を持ってくれました。
陸上の全ての生き物たちにとってまさしく母なる大地。
このかけがえのないものに、ほんの少しでも子どもたちが気付いてくれたならと思います。


最後は班ごとまとめて発表しました。

今回もボランティアスタッフの皆さんが協力してくださったおかげで、この活動を成功させる事が出来ました。
本当にありがとうございました。
皆さんのおかげで子ども達は新たな何かを発見し、ちょっとだけ成長したことでしょう。
この日記を見つけてくれた小中学生の君!来年ぜひ応募してね!