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中国四国地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]

定点観測調査【愛媛 桜井海岸】

2010年12月02日
松山
こんにちは、松山ARです。
いつの間にやらもう師走。猛暑だった夏には、秋や冬は来るのかな、と
漠然とした不安に駆られていましたが、めっきり寒くなりました。

さて、今年度より、始めた定点観測調査の調査地でもある今治の桜井海岸。
休暇村瀬戸内東予という宿泊施設があり、白砂青松の桜井海岸は海水浴や
釣り、散歩など、地元の方にも愛される気持ちのいい砂浜が続いています。
集団施設地区という、瀬戸内海国立公園の利用拠点として整備されている
所でもあるので、色々な業務で出向くことが多い所です。

最近、この海岸で気になっていた現象。
こんなに、マツ枯れしてたかなぁ?

写真を見比べてみると一目瞭然の変化が。

これは、今年の夏(2010年7月22日)撮影した写真。
まだ青々とした木々が見えます。


2010年10月19日に撮影。
先の写真と見比べて3ヶ月の間にすっかり枯れてしまったマツが目に付きます。
(※写真をクリックすると大きく表示されます。)

この中四国のAR日記の中でも今年、松枯れの話題がいくつかありました。
休暇村の園地の管理をしてくださっている方に聞くと、
この夏、猛暑に加えて雨がずっと降らなかったので、
広葉樹も葉が縮れるなど木々がとても弱っていたそうです。
マツも弱ってしまった所にマツ枯れの原因と言われるマツノザイセンチュウが
入り込んで、たくさん枯れてしまったのではとのことでした。

先日出張の際は、ちょうど枯れてしまったマツの伐採作業をしていました。
枯れてしまったマツは倒木の危険もありますし、枯れたマツの中で幼虫が
成長するマツノマダラカミキリ(マツノザイセンチュウを運ぶ昆虫)の繁殖を
防ぐために処分しなければいけません。

マツ枯れが問題視されるようになってから長い年月が経ち、
薬剤散布や抵抗性のマツを植えるなどの対策がとられていきていますが、
根本的な解決策は見つかっていないようです。

マツ枯れという嬉しくない変化ではありますが、定点観測地点として、
今後の変化を記録していきたいと思います。