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中国四国地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]

国立・国定公園総点検にて保護候補地の三徳山を調査しました

2010年12月13日
米子
先日、国立・国定公園の総点検事業における候補地としての調査に
鳥取県三朝町の三徳山に行ってきました。
三徳山は国宝の投入堂があることで知られており、現在世界遺産登録運動を展開しています。

今回の調査は鳥取県の方や町の教育委員会の方々とともに行いました。
本堂の奥にある登山事務所を抜けると、すぐに宿入橋があり、
そこから霊場三徳山へと出発します。
登山事務所の横には、ハイヒールなど登山向きではない靴を履いていた人用にわら草履が売ってあり、遭難防止のために単独行動禁止などの看板が貼ってありました。


◎わらぞうり。実際にこのわら草履を履いている人を何人か見ました。


◎登山口には注意書きがたくさんありました。ここ数年、登山中に滑落事故などがあったことから、単独登山が禁止になったそうです。

木の根を足場に登るカズラ坂、岩塊をクサリを頼りに登るクサリ坂などの難所を通過すると
文殊堂、地蔵堂など次々と重要文化財である史跡が現れました。
この文殊堂と地蔵堂、岩塊の上に建っており、ぐるりと縁の下を歩けるのですが、
水はけをよくするために床はやや傾斜があり、手すりや柵もないので、
高いところが苦手な人にはかなり勇気がいるのではないでしょうか。。


◎カズラ坂。ジャングルジムみたいでした。なかなかの難所です。


◎文殊堂。下は崖、土足厳禁のため靴下で。さらに怖さが増しました。

鐘楼堂、納経堂、観音堂などを過ぎ、角を曲がると
とうとう国宝の投入堂が目の前に現れました!
平安時代の後期に建立された投入堂は断崖の洞窟の中に建ち、
千年もの間風雪、地震などに耐えてきました。


◎投入堂
名前の由来は修験道の開祖・役行者(えんのぎょうじゃ)が麓で造ったお堂を、法力によって断崖絶壁の岩窟に投げ入れた、という伝説からついたそうです。
現在でも、どうやって建立したのかわかっていません。

登山口から投入堂まで約1時間。
この短い時間の調査でたくさんの史跡、
植生もツバキなどの照葉樹からブナなどの落葉樹に変化を感じることができました。