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中国四国地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]

〔マリンワーカー事業〕足摺地域のオニヒトデ駆除

2010年11月05日
土佐清水
これまでのグリーンワーカー事業から海域における事業を分け、今年度よりマリンワーカー事業というものを実施しています。
足摺宇和海国立公園の海域でもこの事業を展開しています。
主にはサンゴ食害生物の駆除ですが、
今年は、酢酸をオニヒトデに直接注射し海中で駆除する手法も調査しています。

11月4日に、竜串湾にてオニヒトデ駆除が行われました。
地元の方を中心としたダイバーに駆除作業をしていただきました。
駆除の実施場所は、竜串湾内の弁天島南・メクサレ(海域公園地区2号地)・大碆(海域公園地区2号地)の3箇所(下図参照)です。

海域公園区域図(今年から自然公園法改正により海中公園地区は海域公園地区に変更。)

今年に入って初めて実施する場所です。

2ヶ月ほど前に、千尋岬の先端や東側にて実施した際、800匹以上のオニヒトデが地元ダイバーによって駆除されました。
それらが徐々に竜串湾内に侵入してきていると聞きます。

この日天気は晴れ、しかし海水温は23℃です。

先端がカギ状の道具で駆除していきます

ダイバーの皆さんはドライスーツに身を固め、先端がL字のカギ状の駆除道具を手に海に潜っていきます。

3箇所の駆除合計数は、約130匹。

今回駆除されたオニヒトデ

2ヶ月前に千尋岬で駆除した数に比べれば、少なく感じるかもしれません。
海流に乗ってやってくるものをこの千尋岬が竜串湾の砦のような存在になっているようです。
しかし、海域公園地区にも指定されている場所に、これだけのオニヒトデがいるということは、竜串湾の貴重なサンゴが食害の脅威にさらされているということです。
普段の生活では目に見えない海の中。縁の下の力持ちならぬ、海面下の力持ちとなって、この作業を実施してくださるダイバーに感謝ですね。