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中国四国地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]

干潟とそこに棲む生物たち

2010年09月17日
松山
ようやく空気が涼しく感じられるようになりました。
朝晩、ちょっと肌寒い日もあり、少しほっとする気持ちの今日この頃です。

さて昨年、
「自然公園法」(日本の国立公園はこの法律に基づき管理が行われています)
が改正され、海域公園地区という制度が創設されました。
瀬戸内海も、全ての海域が国立公園に含まれている訳ではありません。
今残っている干潟や藻場はどんな現状なのか。
愛媛でも聞き取りや、生物調査を始めました。


上の写真は加茂川・中山川河口に広がる広大な干潟。

今年は県下三箇所で行う干潟調査に同行してきました。


調査はごくシンプルなもので、予めある程度設定した箇所にて、
決まった面積を10~20cm程度掘り、その中にいる生物の種類を確認する
というものです。

地元漁業従事者のお話からも、以前と比べて干潟の生きものが減った
ということだったのですが、実際に調査を見ていても生きものが少ない・・・
以前は「邪魔になるほどいた」というカブトガニはおろか、
二枚貝などの生物も非常に少ない状況でした。

干潟の底質が変わってしまった、という河口もあるようですが、
原因はいろいろ推察されているものの、
様々な要因が重なり合ってのことなのでしょう。
川の上流からの栄養分取り込み、水を浄化してくれている、とも言われる干潟と
そこに暮らす生きものたち。
見た目にはわからない環境の変化を静かに受け止めてきたんですね。

調査では指先ほどの小さな小さな干潟の生きものが見られました。
元気に大きくなって命をつないでほしいものです。

写真:ケフサイソガニ、ガザミ、シオフキ、マテガイ、アサリ など


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