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中国四国地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]

室の内

2010年07月15日
松江
梅雨の後半。西日本では集中豪雨による災害も起きているようです。
21世紀の文明をもってしても、災害をなくすことはできないのですね。
くれぐれもご注意いただきたいと思います。

さてこの梅雨時期、国立公園三瓶山へ調査・巡視に行ってきました。
三瓶山の地形は山がぐるっと周囲を囲み、中央が釜のように凹んでいます。
ちょうどカルデラの様な地形です。(カルデラであるという説もあります。)

その釜の中を「室の内」と呼びます。
ここは国立公園の中でも特別保護地区に指定されています。
特別保護地区とはそこに生きる動植物すべての生き物、だけでなく石や土までも許可なしに採ることはできない、特に厳重に自然を保護している地区です。


やはり梅雨と言えばアジサイですね
野生のものは派手ではありませんがやさしいです


三瓶山東の原からはリフトがあり、手軽に山(釜の縁)に登る事ができ、そこからは室の内が一望できます。(もちろん登山道もあります。)
そしてそこから釜の斜面を下っていけます。
花畑でもないのにまわりからはブーンという虫たちの羽音が聞こえてきます。
クリの花の香りが立ち込めます。
虫たちは木の花の蜜を吸いに来ているのでしょうか。
ここには広葉樹の豊かな森が広がっています。

ですがこの豊かな森にも魔の手が伸びています。
全国的に大きな問題になっている、ナラ枯れの被害が起き始めているのです。
ナラ枯れの要因は里山林の手入れの放棄・酸性雨・温暖化などとも言われています。
いずれにしても人間の活動が影響を及ぼしているようです。

坂を下り切って 釜の底 を少し歩いた先に、ありました。「室の内池」です。
山に囲まれ下界から離れた森の釜の底に、池まで用意されているなんて、なかなかじゃないですか?



室の内池にはリフト終点から30分弱ほどです。
本格的登山をしないで豊かな森を楽しむ事が出来ます。
ちょっと心が疲れた方。一度森を歩かれてはいかがですか?
でも自然はわずかな力でもダメージを受けてしまうものです。
極力森に負担のかからないよう、やさしい気持ちで豊かな森の中に入ってみてください。





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