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中国四国地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]

姫逃池草刈隊!

2010年06月30日
松江
国立公園三瓶山のふもとにある三瓶自然館そばには、
姫逃池(ひめのがいけ)と言う、なにやら云われがありそうな池があります。
その池には県の天然記念物にも指定されている、カキツバタの群落があります。

ところが渇水やススキ等の繁茂により、池が消滅する恐れがでました。
姫逃池を復活させようと近年多くの方々の努力により、池の環境は回復に向かっています。


ここでは5月下旬から6月にかけて美しい姿が見られます。来年はぜひ見に来てみてください。
【写真提供:さんべ自然館サヒメル】


今回6月27日(日)はその回復の為の活動の一つである、池の草刈作業がボランティアの皆さんの手で行われました。
時おり雨が降る梅雨らしい天気の中、カキツバタそして姫逃池を復活させようと、老若男女たくさんの人達がこの作業に参加してくれました。

池を取り囲む草むらにはカキツバタや雑草・ショウブなどが混在しています。
カキツバタや貴重な植物を残してショウブや他の草を刈ります。
「ショウブも刈るの?」
ショウブも刈ります。(根から掘って抜きます。)
ここのショウブは人が持ち込んだ物のようです。
ショウブは太い根を地に張り巡らせて勢力を広げています。
美しいショウブもこの池の生態系のバランスを変えてしまうのです。


草刈、草運び、ショウブ堀、カキツバタ移植、池内の水草抜きと皆さんそれぞれに一生懸命です
「ショウブはお風呂にお持ち帰りください」ショウブを抜いていてもいい香りがします


しかしショウブの葉とカキツバタの葉は一見似ています。
カキツバタが多い場所ではこの草刈はなかなか難しい作業です。
「あ、・・・」 私も何度かやってしまいました。
ごめんなさい。


人子供たちもよくお手伝いしてくれました「みんな ありがとう!」 


池の周りだけでなく池の中でも腰までつかって草取りがおこなわれました。
美しく咲く睡蓮も抜きます。
これも人が持ち込んだ物なのです。
睡蓮は池の中で勢力を広げています。
太い根っ子が張り巡らされ、かなり手ごわいやっかい者です。




池の周りの草刈がもう一息という頃、雨が強くなってきました。
さすがに作業は続けられず、ここで終了。
それでも皆さんのおかげで池はすっきりとしました。
これでカキツバタも姫逃池もまたひとつ元気さを取り戻してくれそうです。

作業が終わりひじょ~なかゆみが。
見ればブヨに刺されて腕が変形してしまいました。
イ~ヤ、なんのこれしき。
皆さん本当にお疲れさまでした。
更なる美しい姫逃池が回復するように、ブヨにも負けずこれからもこの活動を続けていきましょう。

作業後はおにぎりや暖かい豚汁がふるまわれました。
外はどしゃ降りとなりましたが、この心遣いに心があたたまりました。