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中国四国地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]

宮島パークボランティア公募観察会~博打尾コース~

2010年06月25日
広島
梅雨の観察会に雨の心配は付きものですが、
前々日までの降水確率60%からは一転、
土曜日は晴れ間も見られ、
宮島パークボランティア(以下PV)主催の
公募観察会~博打尾(ばくちお)コース~が無事開催されました!

場所は観光用ガイドマップにも掲載されていますが、
意外と知られていない包ヶ浦自然歩道博打尾コースです。
包ヶ浦ともみじ谷を結ぶ博打尾コースは
1555年毛利元就と陶晴賢(すえはるかた)が戦った
厳島合戦の戦場にもなった場所で、
尾根からは大鳥居や大願寺が見渡せます。
この角度から見る市街地も実はあまりないように思います。

今回は(も?)宮島のシカや厳島合戦、生物多様性についてと
内容盛りだくさんの内容でしたが、
私が特に印象に残ったのはシカの影響を受けた植物です。
最初に見つけたのはヤクシマオオバコです。
知らなければ、絶対見落としてしまう極小サイズのこのオオバコ。
葉の大きさがわずか1~2㎝。
オオバコは本来人や車に踏みつけられるような場所に自生しますが、
宮島に自生するヤクシマオオバコはシカの影響?でしょうか。
そして、シカに見つからない、食べられない大きさでいることで
シカの食害を受けず、自生し続けています。

[ヤクシマオオバコ:指と比較するとサイズがわかるでしょうか?]

他には山型のこんな松の木も。

[シカの影響を受けた松:みんな生きていくのに必死なんですねぇ]

新芽のうちは松葉も柔らかいため、シカが食べてしまいます。
松も食べられないように硬い葉の間に新芽を生やし、
徐々にこういったかたちが形成されたようです。
まさに動物と植物の知恵比べですね!

そんな発見をしながらの博打尾コースでしたが、
歴史や植物が好きな方はもちろん、
弥山と違って勾配も少なく、1時間半程度のとても歩きやすいコースですので、
登山初心者の方も是非足を運んでみてください!



[博打尾根からの展望:毛利軍も同じ景色を眺めたんでしょうか]