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中国四国地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]

大山登山道整備

2010年06月03日
米子
6月になりました。
いよいよ大山も今週末、夏山開きが行われます。
それに先駆け、先月の25日に大山の主要登山道である夏山登山道とユートピア登山道の登山道整備が地元の方々や関係機関によって行われました。

当日は登山口付近のお天気は曇りでしたが、
3合目を過ぎたあたりからは雨に打たれながらの作業となりました。
6合目を過ぎると雲の中に入り強風+視界も真っ白。
朝早く大山登山に挑んだ中学校は強風のため8合目で引き返してきたとか。
大山蒜山地域のARとなって今年で3年目になりますが
このような状況の大山登山は初めてです。

登山道には先日からの強風でブナなどの風倒木も多数あり
小規模なものは取り除き、規模の大きな倒木は処理方針を確認しました。
その他には、色の薄くなった注意看板などの修繕を行いました。


◎道を塞ぐ倒木を除去しました。

◎注意看板の補修

◎雲の中の大山頂上避難小屋。視界が悪く、近くに行くまで全く見えませんでした。風雨に晒され寒かったです。。

☆☆☆

6月2日に大山山頂の旧縦走路で滑落死亡事故が起きました。
この旧縦走路は歩道は元より尾根筋全体の崩壊が激しく大変危険なため、
昭和57年には環境省の公園計画の歩道から削除されています。
毎年の登山道整備や頂上保全作業の際には、立入禁止のロープを補修しています。
しかしその後も旧縦走路に立ち入る人は後を絶たず、多くの事故が起きてきました。

ここ最近、大山では頻繁に崩落の音が響いており、
登山道整備の際も雷鳴かと聞き間違うほどの崩落音が鳴り響いていました。
大山は日々、崩壊が進んでいます。
運良く縦走が出来たからといって、次も無事に通れるとは限りません。後戻りさえ出来なくなる可能性だってあります。
弥山頂上碑から三角点までの区間は植生回復のためということもありますが、
旧縦走路(弥山→ラクダの背→剣ヶ峰→天狗ヶ峰→ユートピア)は、大変危険であるために使用禁止になっているのです。

☆☆☆

6月5日、6日に行われる大山夏山開き祭により
大山は本格的な夏山シーズンを迎えます。
今回、登山道整備に参加した関係機関、地元の人たちの思いは一つです。
みなさん安全に、マナーを守って楽しい大山登山を満喫して下さい。