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中国四国地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]

自然観察会「トンボに学ぶ!山と海のつながり」

2010年05月31日
土佐清水
5月30日(日)に当所主催のふれあい行事を行いました。
今回の主役は「トンボ」です。
講師を務めてくださったのは、四万十市具同にあるトンボ王国に務める杉村光俊さんです。
(トンボと自然を考える会 http://www.gakuyukan.com/index2.html

四国固有種であるシコクトゲオトンボ(ヤマイトトンボ科)は、足摺岬周辺にも生息しています。
そんなトンボやその生息環境が知らない間に減りつつあるのを地元の方にもぜひ知っていただきたいということもあり開催しました。
参加者は小学1年生~大人、合わせて23名(幼児含む)でした。


まずは、大戸のトンボ公園の池で参加者の皆さんに「トンボ目」になってもらいました。
慣れないうちは、講師が指さしてもどこにいるのかなかなか見えてこない様子。
ある程度、慣れてきたらトンボの幼虫ヤゴの棲む沢へ移動です。
今回は、市の生涯学習課と共催でマイクロバスを出していただきました。

大戸のトンボ公園でまずは目慣らし

次は臼ばえ周辺と足摺岬周辺にて、ざくざくと林内に足を踏み入れ沢で生きもの探し。
参加者の皆さんは、「ほとんどこういった場所へは入ったことがない」とのことでした。
アミでガサガサすると・・・、ヌマエビやサワガニ、ヤゴ数種、ヘビトンボ、カワゲラ、シマアメンボなどなどを発見。
懐かしい遊びに親も夢中、子どもも様々な生きものに大興奮でした。
元気な沢とそうでない沢の2つの沢へ入り、捕れた生きものを比較しました。その時に生きものの少ない「その要因は何か」などの話をしていただきました。

林内へ入って親子で沢の生きもの探し

天気予報は晴れだったのに、なぜか足摺半島の上だけ灰色の雲がかかってしまい、林内にいたときには気づきませんでしたが、雨がシトシト。
観察を予定していたミナミヤンマは、雨が止んだものの湿度が高く飛んでくれませんでした。

午後はシコクトゲオトンボとその生息環境を観察しに行きました。
このトンボは他のものと違ってやや暗いところが好みのトンボ。
今は使われなくなった林道脇の水がしみだすような所にヤゴや成虫はいました。


左:シコクトゲオトンボ観察
右上:成虫  右下:ヤゴ(約1cm)

観察会も終わりが近づきつつある頃、ようやく太陽が顔をだし、閉会式直前に運良くミナミヤンマの飛んでいる姿を見ることが出来ました。

この日一日はなんとも不安定な天気で観察会日和とはいえませんでしたが、参加者の皆さんは天気に気にとめている様子はなく、親子でいろんなトンボの観察や沢の生きもの探しができ楽しかったようです。

次回の要望を受け、またいろんな生きものを題材にした観察会を展開していこうと思います。