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中国四国地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]

固有種の保護のあり方

2010年05月21日
土佐清水
愛媛新聞(4月25日1面)でも取り上げられた「トキワバイカツツジ」。

この自生地は国立公園からは外れていますが、先日、現物確認のため行ってきました。
近隣である宇和島市の固有種であり分布域が限られている珍しい種です。

花の時期は終わりを迎えている頃でしたが、
新聞掲載後、役場等に問い合わせがいくつかあったようです。
このツツジは、林縁のやや明るいところ、岸壁に自生し固有種で他の場所には生育していない珍しいモノです。
その珍しさ故、すでに数株盗掘されてしまっているとのこと。


常緑のツツジ「トキワバイカツツジ」かろうじて咲いていました

「珍しければ珍しいほどに希少価値は上がり高く売れる」
そのため乱獲・盗掘が繰り返され、消滅の危機にさらされているのはこの種に限った話ではありません。

危機的状況だからこそ、その種を守るために知ってほしいという願いもあり・・・。
しかし、存在が知られていないから守られることもあり、知られてないが故に気づかず駆除されることもあり・・・

いろんな考え方を持っている人々の中で、それぞれに認識の違う“自然”や“種の保護”について、どのように伝えなければならないのかを問われているような気がしました。