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中国四国地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]

テング巣病の来襲

2010年03月09日
広島
2月下旬から4月並みの暖かい日が続き、
温暖化への懸念を背に
今年も桜の開花時期が早まるのでは?と
期待をしていましたが、
本日広島では大粒の雪が降っています。
春はもう少し先送りのようです。

さて、春といえばやはり桜。
ですが、今各地の名所でこの桜がこわい病気にかかっています。
その名もテング巣病。

テング巣病は病原菌による伝染病で、
感染した枝は一部がこぶ状になり、小枝がほうき状に伸びる病気です。
感染すると花をつけず、
放置しておくと健全な枝にも伝染し、やがて樹全体が枯れてしまいます。

私も桜を見るたびについついテング巣病を探してしまうのですが、
ソメイヨシノは特にこの病気にかかりやすく、
かかってない桜を見ることの方が少ないくらいです。
このままでは、春に桜を拝めなくなるのも無い話ではありません。

そんな桜を救おうと、
近年各地でボランティア活動を行う団体が増えてきています。
先日、宮島でも「宮島さくら・もみじの会」の皆さんが
宮島八景でもある大元公園の桜にテング巣病の切除・施肥作業を行いました。
テング巣病は薬剤での治療方法はなく、
ひたすら感染した枝を根元から剪定し、
病菌が侵入しないよう傷口に殺菌剤を塗布するしかありません。
広がりつつあるテング巣病を根絶するのは容易いことではありませんが、
こういった活動を続けることが
5年後10年後も今と変わらない満開の桜を残していくことにつながっています。



[切除作業]


[ほうき状になった枝がテング巣病に感染した部分]