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中国四国地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]

宮島パークボランティア公募観察会~大聖院コース~

2009年12月11日
広島
12月に入り、広島山間部(私の家の周り)では、朝には霜が下りています。
本格的な冬の始まりを感じますね。


さて、ご報告が遅くなりましたが、
先月21日に宮島パークボランティア(以下PV)では
公募観察会を開催しました。
場所は4年前、台風14号で土石流災害があった弥山「大聖院コース」です。
昨年10月に復旧工事が終わり、
災害前後の史跡や植生を比較し歴史や自然について学ぼうと、
一般参加者30名を公募しました。

大変多くの方からご応募いただき、結果一般参加者48名。
PV参加者を合わせると、総勢71名の大観察会となりました!


6班に分かれ、
各班長が解説するとともに、
被害が大きかった大聖院入口では
講師を務めるPVの方より災害前後について詳しい解説を伺いました。
今は自然石を使い、きれいな状態に修復されていますが、
それでも土石流の大きさを物語る傷跡が所々に見受けられました。

江戸時代より繰り返し災害に見舞われているにも関わらず、
今まで無事に残っている大聖院も
何か特別な力で守られた場所なんだと思いますし、
また、その裏側で弥山登山道の復旧作業を行ってきた人たちの力があって、
こうして何百年も宮島は守られてきているんだなぁと思いました。

その後、
白糸の滝、遊女石畳、16丁町石や
弥山の植生についてなど歴史や自然について解説していただきました。
頂上では厳島合戦の紙芝居が行われるなど、
とにかく内容盛りだくさんの楽しい観察会でした!
(全部紹介したいぐらいですが、10Pは越すかと・・)

登山道の中でもこれだけ歴史の詰まった場所は
他にはないのではないでしょうか?

知らなければ、ただの石や植物ばかりですが、
現存の史跡の経緯を知るだけでも、
昔のこともとても身近に感じられるようになります。

弥山に登る際は、
今と昔の人々によって復旧された登山道に思いを馳せてみてください。



[上:復旧された大聖院ルート入口]
[下:昔に整備された大聖院上の砂防壁]


[上:新しく建設された砂防ダム 木の周りは土石流で流されました]
[下:白糸の滝周辺]


[厳島合戦紙芝居]