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中国四国地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]

鳴門 森林自然観察会

2009年11月18日
高松
 先週、11月12日に鳴門公園で自然公園財団鳴門支部主催の森林自然観察会が行われました。
参加者は、鳴門市内の桑島小学校3年生の生徒さん達で、今年で14年目になります。
この観察会は、鳴門山のウバメガシから落ちるドングリを拾って育て、6年生になったらこの山へ植樹するといったもの。

 今回、講師として迎えたのは、徳島県植物研究会会長の木下先生と徳島県自然保護協会理事の和田先生です。

 最初に、松がなぜ枯れるのか? 
 子供達は「冬だから?」
いいえ、松食い虫や酸性雨によるもの。松にも、人間でいうところの新型インフルエンザのような耐性のない虫がいるんだそう。
 あと、マダラカミキリ。
この虫が松に卵を産むための勢いを付けるために、木を食べていくことも。
香川はこの虫が比較的多くいると、先生が教えてくれました。

 そして、いざドングリ拾いへ。
今年は豊作で、みんなドンドン集めていきます。



 ドングリを拾っている途中にある「コウヤボウキ」や「ヒメアブラ」などの説明を。ドングリ拾いの途中で、虫や気になる植物は声をかけて積極的に先生に聞いていました。

 ここで先生から、ドングリについてお話しが。
ドングリって、年によって実のなる量が違うのって知ってました?
子供達の答えは・・・「疲れたから今年は休む!」
この答え、近いんですよ。実は。
毎年、ドングリがたくさん落ちていたらどうなるか?
これを食べる動物がいますよね?
となると・・・
エサがたくさん→子供を産む力がある→増える→エサがさらに必要→ドングリが地面に残らなくなる→種がないから次の世代が育たない
といったふうになるんです。だから、毎年実をたくさん付けないのは自分たちが生存していくために必要なこと。
 引率の先生やお母さん達も「ためになるわぁ~」と感心していました。
 
 じゃあ、次にドングリをたべてみよう!
まず、ウバメガシを。皮をむいて、パクリ!
・・・マズイーー! と、渋い顔の子供達。
じゃあ、次にシイの実を。
おいしい~~! これには満足顔。




 その他にもアキグミを食べたり、ヘクソカズラの匂いをかいだり。
特にアキグミは好評で、
「おやつに持って帰ろう~」と言って取ったり、おかわりしている子供達続出!自然には、おやつになるものもあることが分かったかな?

 少し寒かったですが、最後まで子供達は元気いっぱいに、一生懸命いろんなことを知って、覚えて帰りました。
 これを機にもっと自然のこと、身の回りの動植物のことに興味を持ってくれることだと思います。



最後にみんなで記念写真