中国四国地方のアイコン

中国四国地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]

秋の滑床渓谷 行楽シーズンは、人も○○も・・・

2009年11月12日
土佐清水
先週末、滑床渓谷へ行ってきました。
紅葉のはじまっている渓谷沿いを歩いて雪輪の滝まで散策。
水のある風景の中の紅葉は、穏やかな気持ちにさせてくれます。
滝からの帰り道、ヘビがスルスルっと歩道を横切っていました。
この日は暖かな日でしたが、渓谷で陰りがあるためか動きはとてもゆっくり。
ヘビを含め両生爬虫類にとっては、ぼちぼち冬支度にかかる頃ですかね。


滑床渓谷 雪輪の滝


万年橋の駐車場には、渓谷の紅葉を楽しみにきた方々の車でいっぱいになっていました。そんな満車状態の駐車場を見ながら「さすが紅葉シーズンだなぁ」とのんきに感心していたら、人や車だけでないことに気づきました。
森からの訪問者です。

駐車場は賑やか。車も人もサルも・・・

サルです。
人がたくさん来る行楽時期は、人慣れしてしまったサルもまた森からここへ出向いてきます。
何台かのボンネットの上でグルーミングをしあったり寝ころんだりとひなたぼっこをしながら、“餌くれ”アピールをしていました。
近づいても逃げる様子もないので、気にせず帰り支度のため車のドアを開けていました。
少し目を離した隙に、私とドアの隙間をするりっと車内に侵入。
(そのさりげなさには感心してしまいます。見事です。)
サルがティッシュボックスをつかんだところで気づき威嚇。「あっまずい!」と思ったのか(内心私も思いましたが・・・)サルはあわてて何も持たずに車外に飛び退いていきました。
危うく被害を出すところ。何事もなくて本当によかったです。
それでもまだ隙をねらいたいのか数mほどの近距離で待機していました。

いつでも隙をねらっています。

他の地域でも、人がサルに近づいて、咬まれた、ひっかかれた、荷物を略奪された等々、様々な事件をいまだに耳にします。

今回、子どもを抱えた雌ザルもいました。子どもはまだ警戒心が強くすぐに逃げたものの、親ザルは全く動じていない。
人を軽視しているのが明らかです。
そんな親のもと育ったサルが、「食べ物は人がくれる」と気づいてしまったら大変なことになります。
そんなサルが出ないことを願うばかりです。

ねらわれやすいのは、ほとんど子どもや女性、もしくはビニール袋などを持っている方です。もちろん、口の開いたバックやリュックも標的のひとつ。
場合によっては、車中まで侵入し食べ物をとっていくこともあります。
間接的な餌付けにつながらないように注意しなければいけませんね。