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中国四国地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]

第11回瀬戸内エコツアー開催★

2009年10月01日
広島
先月のことになりますが、
9月19日、快晴の中瀬戸内エコツアーを開催することができました!
竹原市忠海港に集合した後、まずは瀬戸内クルージングへ出発!
忠海~阿波島~龍島沖合を経由し、
ある生き物によって浸食されているというホボロ島まで向かいました。
ある生き物によって浸食・・?
この疑問については広島大学富川先生に解説をしていただきました。

その正体はナナツバコツブムシ。
舌を噛みそうな名前ですが、
体長1cmのダンゴムシに似た生き物です。
下あごの硬い歯で岩を噛み砕き、巣穴を作っています。
穴だらけの岩はもろくなり、雨風や波で壊れやすくなり、
より浸食が早まっていると考えられています。
もともと高さ22m、東西120mあったホボロ島が
現在満潮時にはほぼ水没してしまいます。
生き物によって浸食されているという
世界的にも珍しいホボロ島を拝めるのも私たちが最後の世代かもしれません。

[上:船の上で観察]
[中:ナナツバコツブムシ]
[下:ナナツバコツブムシに浸食されたホボロ島]


そんな解説を聞きながら、
昼食は大久野島へ。
先月漁の網にかかり、
ビジターセンターで一時保護しているカブトガニを見学しました。
「カブトガニがすみやすい環境を守る会」代表清瀬先生より、
カブトガニの生態や現在カブトガニが置かれている状況などを解説して頂きました。
私はカブトガニを見るのが2回目でしたが、
実物を見るとやっぱり変な生き物・・

そして、午後からは今回のエコツアーのメインイベント。
三原市宇和島の干潟観察会です!
今回は押網採取を行いました。
そのため、イカやタコ、タツノオトシゴやメバルなど
日頃干潟ではなかなか見られない生き物を多く見ることができました。
(私はほとんど名前がわからない生き物ばかりでした・・)

子どもたちも初めて見るモエビに「きれい~!」
初めて触るアメフラシに「気持ち悪い~!」
など様々な声を聞くことができました。

暑い中、熱中症や怪我をされる方もなく、
内容盛りだくさんのエコツアーを無事終えることができました。
日頃目に見えない身近な環境にも、
自分たちと同じように生き物が生活していることを
観て知っていただけたのではないかと思います。



[上:清瀬先生によるカブトムシの解説風景]
[下:宇和島での干潟観察会]


[左上:アナダコ   右上:モエビ]
[左中:ソバガラガニ 右中:アミメハギ]
[左下:何イカ?   右下:タツノオトシゴ]