中国四国地方のアイコン

中国四国地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]

野生生物とのつきあい方

2009年09月09日
広島
仕事帰りのことです。
夜の宮島ターミナル内で3匹の子ダヌキに出会いました。
中でも1匹は白タヌキで(宮島では珍しくないですが)
船を待つ観光客の写真の的になっていました。
毛繕いをする姿や3匹でじゃれあっている姿はとてもかわいいのですが、
タイルの上で何の警戒心もなく遊ぶ子ダヌキたち。
なんだか違和感がないでしょうか??

タヌキを目撃することは時々あるのですが、
それは大抵山林付近。
そして人が近づけば、警戒して逃げてしまいます。
ですが、宮島では昼間の市街地でもタヌキをよく見かけます。

なぜタヌキは人を恐れず、ターミナル内にいるのか?

おそらく人からエサをもらい、人に馴れているからではないでしょうか。
日頃タヌキを見かけない都会に住んでいれば、
かわいいタヌキを見ればついついエサをあげたくなる気持ちはよくわかります。
ですが、
「少しだけなら」
「かわいいから」
そんな一時的な気持ちでみんながエサをやれば、
タヌキにとって毎日のご飯は
「人間が与えてくれるもの」になってきます。

こんな幼い頃から毎日エサをもらっているタヌキが
自力でエサを探したり捕まえたりすることができるのでしょうか?

野生生物はペットと違って、
死ぬまで人間の管理される場で生きているわけではありません。

自然の中で動物たちが本来の生活をしていくためにも、
私たちもそのお手伝いをしたいものです。







宮島ターミナルで人前に姿を現す子ダヌキたち。