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中国四国地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]

自然美と近代美 沙弥島

2009年07月09日
高松
 こんにちは、高松ARです。
どんどんと夏らしくなって、暑さが増していく今日この頃です。


 さて、今回は坂出市沙弥島へ行ってきました。
沙弥島といっても、沖にポコッと浮かぶ島ではないんです。陸続きになっている島なのです。理由は、昭和39年から臨海工業地区造成のため付近の海域が埋め立てられ、昭和42年に陸続きとなったからです。

 瀬戸大橋のたもとからのびる道を進んでいくと、右側には無機質な感じを持つ工業地帯が、左側には真逆の緑豊かな沙弥島が見えてきます。
ゆったりと流れる空気、工業地帯の側とは思えないざわざわとした喧噪もなく、どこか懐かしい雰囲気を持っている沙弥島。

 潮風に誘われるがままに沙弥島奥へと進んでいくと、瀬戸大橋の一望できる場所へと出てきます。『ナカンダ浜』。ここは、縄文、弥生時代の各種土器・石器が出土している所でもあり、さらに、浜辺には珍しいエノキの巨木があります。このエノキの巨木を境に青々とした芝生、白い砂浜とに分かれており、思わず芝生でごろんとしたり、砂浜で裸足になってみたくなるような、のんびりとした場所が広がります。

 一見、穏やかで泳げそうな浜ですが、海水浴場ではないので決して泳がないように。 海水浴場はナカンダ浜に行く途中にある「沙弥島海水浴場」があります。そこは海水浴場百選にも選ばれています。磯が点在し、エビ・カニ・小魚等が多く生息していることから、親子で磯遊びをしている光景が見られます。





ナカンダ浜(分かりづらいけど・・・右側にエノキの巨木)


 そしてナカンダ浜から続く遊歩道を行くと、文学碑が数多く散在しています。小さな石で歌が詠まれているのが、万葉の歌人柿本人麻呂ゆかりの歌碑、もう少し進むと坂出出身の作家中河与一の小説「愛恋無限」から全国の有志によって建立された『愛恋無限文学碑』、その他にも旧石器・縄文・弥生時代の遺跡や古墳があります。これを目的に訪れる歴史・文学愛好者たちも多くいます。



万葉歌碑


 遊歩道はウバメガシのトンネルになっていて心地よい涼しさをもたらしてくれます。遊歩道途中の展望地や休憩所で瀬戸内海の風景をゆったりと眺めながら、日頃の煩わしさを忘れてリフレッシュしてみては。
  

 古代の歴史・文学、古くから地域の皆さんによって守られている自然環境、瀬戸内特有の多島美の風光、穏やかな海。そして近くには、瀬戸大橋記念公園、東山魁夷せとうち美術館があります。

 自然美・古代の歴史・文学、近代美。さまざまな顔を持つ沙弥島。
まだ行ったことのない方はぜひ!おすすめです!