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中国四国地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]

外来生物ミシシッピアカミミガメ

2009年05月14日
広島
先日、許認可巡視に同行し、廿日市市極楽寺山を訪れました。
頂上には蛇の池という大きな池があり、
睡蓮の花も咲き始めといったところで、
アメンボが泳いでいたり、トンボが飛び回っていたりと初夏を感じられました。

他にカメなんかもいないかなぁ~?と池をのぞいていると、
カメの大群が枯木の上にそろって日向ぼっこ。


でも、よーくみると、

そこには外来種のミシシッピアカミミガメも・・
(他のはクサガメ?よくわかりませんでした。)


日向ぼっこするカメたち。
一番上がミシシッピアカミミガメ。



ミシシッピアカミミガメ。
あまり聞き慣れない名前かもしれませんが、
ペットショップでよく売られているミドリガメのことです。

ペットショップでは体長5~10cmの時に販売されており、
安価で比較的飼いやすいことからペットとして人気の高い生き物です。
ですが、大人になれば体長25~30cmになります。
購入前に確認していなくて、
場所に困って飼えなくなり、川に逃がすというケースが非常に多いようです。

他のカメと一緒にいる姿を見ると、
一見共生できているように見えますが、
近縁の在来種と交雑して雑種を作ってしまったり、
在来種の生育環境や餌を奪ったりすることによって、
在来生物は行き場を追われ、個体数が衰退してしまいます。


外来生物の種の数はわかっているだけでも2000種を超えるといわれています。

上記のような日本固有の生態系への影響の他にも、
毒をもっていて人や動物を噛んだり刺したり、
農林水産物を食べるなど、人や農林水産業への影響もあります。

日本の本来の生態系を維持していくためにも、
外来生物をむやみに日本に入れず、
飼育する場合も生き物の寿命や生態を十分に調べた上で、
途中で飼育放棄をし捨てることがないよう、
最後まで責任をもって飼育することが大事かと思います。


詳しくは環境省外来生物法ホームページに掲載されていますので、
こちらをご覧ください↓
http://www.env.go.jp/nature/intro/






蛇の池。睡蓮はこれからが見頃です。