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アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]
都会の中の自然・宇品島
2009年04月23日
広島
瀬戸内海国立公園は山や島など広範囲に渡り、
ほとんどの場所が市街地からは離れたところに位置しています。
ですが、一カ所ありました。
広島市内近郊に位置する陸島・宇品島です。
昔は「牛奈島」や「氏名島」と呼ばれ、
由来は島が牛の形をしていたことから「牛の島」、
江の内(広島湾)にあることから「内の島」が転訛したと言われています。
(今は埋め立てで牛の形はしていません。)
広島にずっと住む私も市内にこんな自然があるとは全っっっく知りませんでした。
現在は島の半分以上が埋め立て地となっていますが、
国有林である海抜52mの低山と南側海岸沿いが手付かずの状態で守られ、瀬戸内海国立公園に指定されています。
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この景色のすぐ裏側は広島市街です。
山と南側海岸沿いには道が整備され、
釣りをする人、ウォーキングをする人、犬の散歩をする人など
市民の憩いの場となっているようでした。
また、島の周りには波の浸食によってできた海食崖や
溶岩が冷やされて出来た節理と呼ばれる花崗岩、断層なども見られました。
市街地近郊でこういったものが見られる場所もめずらしいのではないのでしょうか。
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波の浸食によって出来た海食崖。
6000年位前まで今より数メートル高い位置に海面があったようです。
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溶岩が冷やされ、規則的な割れ目が入った岩を節理といいます。
今は新緑がきれいで、
またフジの花も山ならではといった感じで豪快に咲いていました。
遠くに行く時間がない。
車がなくて遠くの山にはいけない。
といった方でも電車やバスですぐに足を運べる距離です。
休日の散歩に、散策に、釣りなどに是非宇品島を訪れてみてください。
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晴れの日の新緑は一段ときれいでした。
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あちこちにフジが咲いてました。
今年は少し開花が早いように感じます。
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灯台の横には樹齢200年を超えるクスノキが!