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中国四国地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]

witches' broom ~魔女の箒(ほうき)~

2009年04月13日
米子
 こんにちは。ぽかぽかと気持ちのいい日が続いていますが
みなさん今年はお花見に出かけられましたか?
鳥取では桜もそろそろ散りつつありますが、
今回は桜の病気についてご紹介したいと思います。

 満開の桜の花のなかに緑の葉っぱが繁っている枝を発見することがあります。
これはサクラてんぐ巣病と呼ばれる、とくにソメイヨシノ(Prunus yedoensis matsumura)がかかりやすい病気です。欧州ではwitches' broom(魔女の箒)と呼ばれています。全国各地の桜の植栽地ではこの病気が多発しており、大きな問題になっています。


◎サクラてんぐ巣病に感染したソメイヨシノ
 
 サクラてんぐ巣病とは、枝の一部からほうき状の異常な枝が生える伝染病で、
この病気にかかった枝は極めてまれにしか花をつけず、枝ばかりが伸びます。
この病気の原因はタフリナ菌というウイルスで、感染した葉っぱから胞子を出し伝染させていきます。
罹病すると枝の一部がコブ状に膨らんで大きくなり、
そこから花の咲かない小枝がたくさん生え、
花の時期に小さい葉が開くのでたいへん目障りとなり問題となっています。
また、それだけではなく病気をそのままにしておくと枯れてしまうこともあります。


◎健康なソメイヨシノ

 みなさんの身近な桜の木もてんぐ巣病にかかっているかもしれません。
いまだその感染経路や形態形成のメカニズムも十分に解明されていない
サクラてんぐ巣病。
やっぱりお花見をするなら健康な桜の下でしたいですね。