中国四国地方のアイコン

中国四国地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]

砂浜に落ちていたものは。

2009年03月27日
松山
先日、国立公園の自然と親しんでいただく行事としてビーチコーミングや
磯の生き物観察会を実施しました。
(3月25日日記: http://chushikoku.env.go.jp/blog/2009/03/25/index.html )

そこで、今回の実施場所(愛媛県今治市波方町:瀬戸内海の西寄りの海岸)
での、‘砂浜におちていたもの’をご紹介です。

今回のビーチコーミングでは、最初に簡単に講師の方がこんなものがあるよ~
といったことを説明をした後、自由に砂浜を歩いていただきました。
並べた白いバットには、ざっと同じ区分に入るだろう種類別に
分けられていきます。みんなこれはどこにはいるかな??と真剣でした。
それでは、その中身を覗いてみましょう。


上の写真では左から、①貝の仲間、②海の動物、③海藻、④植物、⑤人工物
、といったところです。(画像をクリックすると拡大画像が見られます)
予想以上の種類の多さにみなさんびっくりです。細かく見てみると・・・

① イタヤガイ、タイラギなどの大きなものからサクラガイなど
小さなものまでたくさんの貝殻が集まりました。また、貝と同じところに
入っていた、コウイカ類の体の中にある「イカの甲(白く楕円の板状の
もの)」は貝類の貝殻に相当するもので、この集まった生き物の中では、
イカは貝に近い生き物なんですよ~。との講師の方の説明にまたまた
びっくりです。

②ヒトデ、ウニ、魚類など。カサゴは釣り人か、漁船が、サイズが小さいため
捨てたのでしょうか。ウニの仲間は、バフンウニなどの丸くころころした殻、
オカメブンブクといういびつな丸い殻、そしてカシパン類の丸く平たい
クッキーのような形の殻が見つかりました。
③海藻は、午後の磯でもたくさん見られましたが、砂浜で多かったのが、
自分の背よりも長い、アカモクという海藻(中央のバッドの半分以上を
占めている)。

「よく見ると、結構複雑な体なんですョ。」

浜で干からびているかと思いきや、海水で洗い出すと、ヒメハマトビムシ
というヨコエビの仲間がピョンピョン。砂浜にうち上がった海藻や動物の
死骸を食べる、砂浜のお掃除屋さんです。彼らにとって海藻は食料であり、
身を隠す場所でもある大切な存在のようです。

④ガマの穂や、果実の種など。また、海の中に生える数少ない植物のアマモ、
コアマモ。コアマモが見つかるところは、環境が良いとのこと。
また農作物として愛媛では定番、みかん。どこでも見つかります。
この日はスイカの皮やサツマイモもありました。


細長いガマの穂をもむと…手品のようにもこもこと!手触りも気持ちいい
穂わたです。
⑤人工物。漁具から生活用品、飲料など様々です。どうして、海に
こんなものが!と驚くことも多々あります。

他にもいろいろありますが、ご紹介しているときりがありません。
一人で、時には誰かと、テーマを決めてビーチコーミングはいかがでしょう。
予想以上にいろいろなものが見つかり、その海に住む、普段姿は見えない
生き物や、周囲で活動する人の姿が浮かんできます。