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中国四国地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]

岩と暮らしと

2009年03月02日
松山
 先日行った佐田岬について、話題をもうひとつ。
 佐田岬は「四国・最西端」、「日本一細長い半島」の異名(?)を持つ、
地図で見ると四国の左上(北西)から「にょき」っと枝を伸ばしているような
半島の先端のことを指します。半島には標高400m前後の山があり、
細い山並みが続きます。国道もその眺望の良いところを走っており、
アップダウンを繰り返します。そしてリアス式海岸である半島の側面は
切り立った岩盤が目立ちます。その岩肌はなんだか緑色。


 この岩、「緑色片岩(りょくしょくへんがん)」と言って、
日本最大級の断層・中央構造線の南側に広く分布するそうです
(佐田岬半島は中央構造線の南縁に沿うように位置しています)。
中央構造線がこのまま東方向へ、愛媛県を南北に分断するように
走っているので、この断層の南側にあたる他の地域でもよく見られます。

 近くで見ると薄い層状になっているのがよく分かります。
「片岩」の特徴(※板状の鉱物などが方向性をもって配列し、
面状構造になっている)だそうです。

上:岩から木が。ど根性○○?? 根はどこまで伸びているんでしょうか。
下:海岸は砂浜ではなく大きい石から小さい石まで、
この平たい緑色の石ころで覆われています。


 灯台までの歩道の壁面や足下、半島の住宅の生け垣や、段々畑、
古くから使われている歩道の階段などには、急傾斜の地形やこの石を
うまく利用した先人の知恵を垣間見ることができます。
積み上げるの、大変だっただろうなぁ。