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中国四国地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]

遺跡が眠る島・能島(のしま)

2008年10月17日
松山
 こんにちは。松山でも朝晩はもう寒いくらいの気候になり、
周囲の木々もうっすら色づいてきました。
紅葉の便りも新聞などで目にするようになりましたね。

 さて先日、今治市の大島の北側に浮かぶ小さな島、能島に行ってきました。
能島は現在無人島ですが、かつて戦国時代に強大な勢力を誇った水軍、
能島村上氏の城郭があったところだと考えられており、
国指定の史跡となっています。
また、国立公園の中では、第1種特別地域という区分に指定されており、
潮流瀬戸や多島海の景観が非常に美しいところです。


写真:中央左が能島 (カレイ山展望台から)

 能島では、遺跡発掘の真っ最中でしたが、発掘作業のお忙しい中、
村上水軍博物館の学芸員の方に案内していただきました。
能島への定期船はないため、発掘の作業をされる方は地元の
漁船などで島へ渡っています。

 周囲1kmにも満たない小さな島ですが、海岸には、
同じ村上水軍の本拠地があったとされる来島でも見られる岩礁ピット
(船の係留施設の遺構と考えられる、岩場にあけられた穴の跡)が残っており、
陸地部では建物があった痕跡の柱穴跡、土器が発掘されるなど
興味深い発見がたくさんあるようです。


写真:発掘作業が行われ、雨などから守るため
ビニールシートがかけられている。

 また、この日は大潮で、島から帰るときに能島周辺の激しい潮流を
目の当たりにしました。日によって、また時間によって潮流は刻々と
向きや勢いを変えるため、周辺での操船はとても難しいそうです。
島が地の利を活かした、「天然の要塞」と言われる所以を実感。
 

写真:激しく渦巻く、能島周辺の潮流

 現在松山では、次回のふれあい行事を実施すべく計画を
練っているところです。また日記でもお知らせしますので、
どうぞお楽しみに。