中国四国地方のアイコン

中国四国地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]

大山を守れ!~頂上保全作業~

2008年10月14日
米子
 みなさんは中国地方最高峰・大山で行われている「一木一石運動」という活動を知っているでしょうか?
 大山は日本百名山にも数えられる山です。昔から多くの登山者があり、昭和50年代には山頂部の高山植物は踏み荒らされ、そのほとんどが無くなり裸地化してしまいました。そこで、崩壊の進む大山を保護しようと昭和60年(1985年)に「大山の頂上を保護する会」が結成され、登山者に浸食溝を埋めるための石を(一石)、植栽復元のための苗を(一木)登山をする際に持ってあがってもらい、それを用いて頂上の保全活動を行おうという目的で「一木一石運動」が始まりました。


◎昭和62年頃の大山山頂の様子

 今年も10月6日に大山の頂上保全活動が行われましたので、今回はその様子をご紹介したいと思います。

 この頂上保全活動は、昨年よりボランティアの公募をしており、今回の活動ではボランティアの方10名を含め約50名が参加しました。8時半から登山を開始し、全員が山頂にたどり着いた11時半から5班に分かれて作業を開始しました。山頂碑付近の植生復元のためのこも伏せを地元の山岳会の方々が、三角点付近ではオオバコなどの外来種の除去を公募ボランティアの方々が行い、このほか一木一石運動で持ち上げられた石(2.2トン!)で土のうを作成し、頂上小屋の裏側の土砂流出を防ぐため積み上げられました。


左上:崩壊の進む大山 右上:山頂碑付近のこも伏せ作業
左下:三角点付近での外来種の除去 右下:土のう作成の様子

 この頂上保全活動も今年で23回目を迎え、一度は裸地化していた山頂にも少しずつ緑がよみがえってきました。しかし、こも伏せなどの活動を行っても、木道やロープの外に出てせっかく敷いたこもを踏んでしまう人がいます。大山に登った際には、その脆弱な環境を守るためにマナーを守って利用してもらいたいと思います。


◎現在の大山山頂の様子(平成20年8月撮影)