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中国四国地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]

マツムシが鳴いたら・・・

2008年10月02日
米子
 10月1日に大山の桝水原(鳥取県伯耆町)で『桝水高原 花いっぱい運動』が行われました。この活動はもともと桝水原に自生していた、大山の指定植物であるマツムシソウを保護し増殖させるために、地元の自治体が1998年から行っているボランティア活動です。
 マツムシソウは山地の乾いた草地に生え、8月から10月中旬にかけてかわいらしい薄紫色の花を咲かせる植物で、マツムシの鳴く頃に花を咲かせることからこの名前がつきました。桝水原がかつて牧草地利用されていた頃には多数の群落が存在していましたが、戦後になり牧草地利用が終わり草地が管理されなくなったことで生態系が変わったことや、観光客の心ない採取が原因となり数が減り、今では鳥取県版レッドデータブック絶滅危惧Ⅱ類(絶滅の危険が増大している種)に指定されています。


◎マツムシソウの花

 今回の活動では地元の高校で種から育てたマツムシソウの苗とナンゴククガイソウの苗300株を地元の自治会、県、伯耆町の職員の方など約25人で植栽しました。当日は天候も良く桝水原からは隠岐の島まで見ることができました。
 

◎マツムシソウ植栽中

 現在、桝水高原ではたくさんのマツムシソウが迎えてくれます。今回植栽した苗もうまく定着すれば来年の8月にも花を咲かせてくれることでしょう。


◎桝水高原からの伯耆大山