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中国四国地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]

マナヅルに遭遇

2007年02月09日
松山
先日調査で重信川(しげのぶがわ)河口を訪れました。
重信川の河口は松山空港の南、松山市と松前町(まさきちょう)の堺に位置しています。このあたりは国立公園ではないのですが、中予地方(愛媛県の地域は東予(東部)、中予(中部)、南予(南部)と大別されます)で唯一の大きな干潟が広っています。四季を通じて野鳥が集まる場所で、愛媛県内でも野鳥観察ポイントの一つになっています。
この日もたくさんの水鳥が羽を休めたり、餌とりにいそしんでいました。


写真:水中に夢中のヒドリガモ


写真:休憩中のオナガガモ

ふと遠くを見ると、カモ、シギ、サギ類とは離れた所になんだか悠然と歩く大きな鳥が1羽。双眼鏡を使って目を凝らしてみても、サギ類ともなんだか様子が違います。写真を撮って事務所で確認するとマナヅルとよく似ており、鳥類がご専門の先生に写真での同定をお願いしたところ間違いないとのことでした。またお話によると、伊予郡松前町と西条市の間を移動している個体だろうとのことでした。今日もたまたま来ていたのでしょうか。


写真:干潟を闊歩するマナヅル

マナヅルは眼の周りが赤く体色は主に灰色で、頭頂から喉や後頸にかけては白色、足は薄紅色のツルで、ツルらしい姿をしていることから漢字では「真鶴(マナヅル)」と書くそうです。愛媛県・環境省の両レッドデータブックの絶滅危惧?類に指定されています。
県内では毎年数羽程度しか確認されないマナヅルに出会えたのはかなり幸運だったのかも。しかし先日、転々と場所を変えるのは越冬に良い環境の場所が見つからないからだ、という新聞記事を目にしたところでした。安心して越冬できる場所を見つけられたらいいなと願い、河口を後にしました。


写真:大きさ比べ