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中国四国地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]

グリーンワーカー事業による海岸清掃

2006年12月11日
松山
 12月に入ってぐっと気温が下がり、ようやく冬がやってきたという感じがします。もう今年も残すところあと20日となりました。

 中四国の他のAR日記でもいくつか清掃活動が紹介されていましたが、先日、松山市内の国立公園である白石の鼻付近の海岸域で、グリーンワーカー事業(GW事業)の一環である清掃活動に参加し、現地確認を行いました。前日までぐずついたお天気だったのですが、当日は幸い天候に恵まれました。

 GW事業とは、国立公園等の貴重な自然環境を有する地域において、地域の自然や社会状況を熟知した地元住民の方々を「グリーンワーカー」として雇用し、各種の自然環境保全活動を実施することにより、より質の高い国立公園等の管理を推進するため平成13年度から始まった環境省の事業です。 
 この海岸は交通量・利用者が多いためか、ゴミの投げ捨て・不法投棄が多発し、さらに風や潮流の関係で発泡スチロールなどの漂着ゴミが岩肌や道路にまで打ち上げられ非常に汚れた状態だったそうです。そこでここでは地元ボランティアの方々の清掃を援助する形で、GW事業が行われています。




この日の清掃には総勢100名を超える方々が集まりました。一見所々にしかゴミはないように見えますが、目につくものだけでも拾いきれないほどゴミが落ちていました。それでも地道な清掃活動によって以前よりきれいになったんだそうです。


写真:いろんなゴミと海草が絡まり合って拾うのも一苦労。

うっかり持っていたモノを落とした、風に飛ばされた経験、私もあります。うっかり落としても故意に捨てられたものでもゴミになってしまえば同じです。誤食や絡まり、汚染など海に住む生き物には深刻な影響を与えることもあります。
ビニール袋、ペットボトル、空き缶・スプレー缶、漁業関連の資材、医療廃棄物、なぜこんなものが海岸に?と思うような投棄物も見られます。


写真:自転車やスロット台などの大物

 定期的に清掃されているにも関わらず繰り返しゴミが集まります。漂着ゴミのように海岸に流れ着けばこうして回収できますが、それも海底や海中に漂うゴミのほんの氷山の一角なのかも。
 分解されにくいプラスチックは細かくなってもなくならず、どこかに漂い続けています。はたと周りを見渡すと、今の生活の中にプラスチック製品はあふれていますよね。全く使わないということは不可能に近いと思います。でも。少しずつでもゴミが減っていくよう、私も日々の生活から気を付けていかなければ!と思います。