ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]

中国四国地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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2011年7月

17件の記事があります。

2011年07月28日今年のユートピアは

大山隠岐国立公園 米子 米田美里

この時期の大山登山のお目当てはやっぱりお花畑。
そして大山のお花畑といえば通称ユートピア尾根です!
ナンゴククガイソウやシモツケソウの花が斜面一面に広がる光景はまさにユートピア。
27日に現地の様子を確認してきましたので
今回はその様子をご紹介します。

ユートピアまでの道中は危険箇所が何カ所かあり、
大山の登山道の中でも健脚向きコース。
初めの下宝珠越えの急登でどっと体力を削られます。


◎下宝珠越えの入口。

一番の危険箇所は上宝珠越えの手前の片側が崩落した箇所ですが、
現在は杭が打ってあり、以前よりも危険度が薄まったように思います。
ただ、危険箇所には変わりはないのでみなさん注意して通ってください。

さて肝心のユートピア尾根の様子ですが・・・、
27日の尾根周辺は霧雨&強風。
ガスが立ちこめほとんど視界が聞かない状況でした。
ただ、花の状況はナンゴククガイソウが7~8分咲き、シモツケソウが5~6分咲き
といった感じでした。
他にもエゾノヨロイグサやオオバギボウシ、コオニユリなどが見ることができました。


◎なんとかガスが消えたときにとった斜面の様子。
紫色がナンゴククガイソウ、ピンク色がシモツケソウ。


◎エゾノヨロイグサ

今年のナンゴククガイソウは例年に比べ、少し花穂が短いように感じますが、
やはり斜面一面に紫の花穂が揺れるさまは一見の価値有り。
今週末はたくさんの人で賑わいそうです。

26日に鳥取県によりユートピア避難小屋の入口横に
更衣・携帯トイレ使用ブースが設置されました。
ユートピア避難小屋にはトイレはありませんので
登山前に携帯トイレをご準備いただき、ブースでの使用後は
お持ち帰りで!!よろしくお願いします。


◎避難小屋に設置されたトイレブース

◎砂すべり。ユートピアからの下り専用です。
ここを使うと元谷まで一気に下りてくることができます。

おまけ
今回、カスミサンショウウオを見ました。
まだ子どものようで、オタマジャクシくらいの大きさでした。


◎ちょっとブレてますが。。
このカスミサンショウウオも近年、数を減らしています。

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2011年07月28日平成23年度自然公園指導員 自然環境局長表彰 伝達式

足摺宇和海国立公園 土佐清水 新堀麻子

環境省の自然公園指導員におくられる自然環境局長表彰の伝達式を中国四国地方環境事務所所長に代わりまして尾﨑自然保護官よりを執り行いました。
(受賞者の中平さんがお勤めになる県土木事務所の朝礼の場をお借りし、伝達式を行わせていただきました。)



自然保護官より伝達

自然公園指導員とは、環境省や都道府県に協力し、国定・国立公園内の利用者に対して違反行為やマナー、事故防止等の指導などを行ってくださる方々です。

全国にいる自然公園指導員は約2800名おり、その中で今年度表彰された方は70名。



中平さんに贈られた賞状と功労記章

中平隆和さんは、足摺宇和海国立公園内において、
平成12年7月より自然公園指導員として務められ、ちょうどまる10年の活動年数になりました。
過去に高知県足摺公園管理事務所の職員としても活動されていたこともあります。
そのため、自然公園法への理解があり公園内における情報提供や活動など熱心にしてくださっています。

写真中央が中平氏
全国の自然公園指導員の中から選出され、功績がたたえられるのは誇らしいことです。
自然公園指導員を含め、地域におられるたくさんの方々のご協力のもと、守られ活かされている国立公園です。
今後もこれを励みに継続してより一層のご活躍いただきたいですね。

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2011年07月25日ハッチョウトンボ

大山隠岐国立公園 米子 米田美里

先日、公園内の湿地の調査をしているとき
ハッチョウトンボを見かけました。
ハッチョウトンボとは日本で一番小さなトンボで、
体長は2cm程度。だいたい1円玉と同じくらいの大きさです。

日当たりの良い、水深の浅い湿地に生息するハッチョウトンボですが、
近年では開発などの環境の変化により急激に数が減少しています。
わたしも今回初めて実物を目にしました。


◎オスの成熟個体。

◎メスの成熟個体。

この日は公園内の湿地を数カ所調査しましたが、
そのうちの2箇所でハッチョウトンボを発見することができました。
霧雨の降る中、ひっそりと生息する小さなハッチョウトンボはとても印象的でした。

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2011年07月20日〔自然観察会〕台風6号の前に無事実施

足摺宇和海国立公園 土佐清水 新堀麻子

台風6号は思っていたより大きな被害は出ず、安堵している土佐清水です。
台風一過、急に真夏日になりましたが熱中症に気をつけないとですね。

7月17日に自然観察会、題して「水辺の生きもの探し~川と海のであう場所~」を実施しました。
川と海のであう場所は、汽水域と呼ばれているところ。
そこは、生きものが多様で複雑な環境です。
大人にとっても聞き慣れない単語。
今回はそこに注目し、宿毛市に事務所をおく“魚と山の空間生態研究所”の山下慎吾さんを講師にお招きしました。
(魚と山の空間生態研究所 http://www.sakanayama.org/Lab/Welcome.html)

今回の参加者は、大人と子ども合わせて19名。
迫る台風6号にやや不安を覚えながらも
予定していたスケジュールを少し変更して実施しました。

干潮時間に合わせて川へ入るようにしていたのですが、
なにぶん台風前の天気というのはとっても気まぐれ。
晴れたり雨が降ったり曇ったり・・・・。
ぱりっと天気が良ければ、川遊びは最高にアグレッシブになりますが、
曇って雨が降れば、やや寒く感じます。
風が吹いているのでなおさらです。

午前中に川の生きものクイズをしながら、魚やエビなどについて学びます。

まずは室内で川の生きものや汽水について学ぶ

その後、前日に仕掛けておいた小型定置網を3班に分かれ担当する場所で順繰り回収していきました。

仕掛けていた網を回収

(今回設置した小型定置網については下記参照 http://c-chushikoku.env.go.jp/blog/2011/07/05/index.html

3箇所回収し終えたら、それぞれで捕れたた生きものを水槽に入れて観察しました。

A:河口、B:竜串橋下、C:堰下で捕獲した生きものたち

台風の影響か、水槽の底を埋め尽くすように入った場所もありました。
一つ一つ捕獲した生きものを解説してくださいました。

3箇所を比較しどんな生きものがいるか見てみる

魚の鱗の堅さを知る

そして、その後、寒さにめげない子どもたちは、雨が降る中タモ網を持って生きものガサガサ隊になりました。

寒さに負けず泳ぐ

講師が投網を持ってきてくださり、えいっとやってみると・・・

投網にて
アユやアメゴがとれました。
驚きです!!

アユやアメゴを捕獲

雨が本降りになり、さすがに子どもたちも寒さが出てきたため、早めに撤収して、室内で三崎川の生きものを振り返る時間となりました。

今回、どんな生きものが見られたかというと・・・
魚は、ボラ・クサフグ・ウグイ・ボウズハゼ・チチブ・カワアナゴ・ギンガメアジ等々
甲殻類では、ヒラテテナガエビ・ミナミテナガエビ・ヌマエビ・スジエビ・ケフサイソガニ等々でした。

触られまくって弱ってしまった魚もいて、川の生きものたちにはかわいそうなことをしました。
けれど、自然体験の機会が減っている今の子どもたちが、
実際に生きものに触れ、川に入り、自然で遊び学ぶことが、
生きものについて考えるきっかけになっていれば、
今いる生きものたちの存続も明るいような気がしますね。

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2011年07月19日紫陽花と分解者

瀬戸内海国立公園 高松 大林めぐみ

先週このAR日記でお知らせしました【国立公園写真展】
その香川会場のみで展示している写真と、同じ風景が見られる場所があります。
それが、三豊市荘内半島にある【紫雲出山】

ここ紫雲出山は、約1000本もの桜が咲く名所ですが、
今の時期はなんといっても紫陽花。
梅雨の長雨によって、山頂へ車道が土砂崩れのため
通行止めになっていましたが、先週末修復が終わり通行可能になりました。

山頂駐車場から遊歩道を歩いて行くと・・・

高さ2mはある紫陽花。

いつもはカメラマンがいますが、この日は誰一人おらず貸し切り。
もう7月半ばですが、今月いっぱいまでは見られるとのこと。
ぜひ、見に行って欲しいですね。
 
巡視日は朝から雨が降っていましたが、お昼前には止み、
徐々に夏の空が見えてきました。

そして、山頂展望地からは

遠くに石鎚山が見えました!(島の上辺り)

紫雲出山は何回か訪れていますが、今日が一番の青空!
雨のおかげで空気が浄化され、よく見渡せる!

改めて眺望のいい場所だなぁと、風景に心奪われながら戻る途中、
保護官の「うわぁ~。。。」という声が。
「何ですか?」と近寄ると・・・

(左)かわいいポーズをとっても、どう見ても三葉虫。。。
(右)ミミズをお食事中

調べてみると、【オオヒラタシデムシ】の幼虫でした。
で、親御さんはコチラ↓↓



どうやら以前紹介した、【センチコガネ】と同じ
分解の役割を担っている昆虫でした。
《参考》
http://c-chushikoku.env.go.jp/blog/setonaikai/a-takamatsu/index_2.html
(2010年10月8日 日本のいのち、つないでいこう)

センチコガネは糞の掃除、このオオヒラタシデムシは死骸を食べることで
掃除をしてくれる昆虫でした。
で、この【シデムシ】の由来。気になりませんか?
【死体から出てくる虫】=死出虫=シデムシ、だそう。。。

そんな見た目はあんまりカワイクないシデムシですが、
この分解者たちがいなくなると、死骸や糞だらけの森になってしまい
森の物質循環がうまく働かなくなります。
それに、実はこのシデムシの種類が多いほど、数が多いほど
森の土壌に栄養が行き渡り、豊かな森だといえるのです。

桜や紫陽花の美しさは、このシデムシが土壌を豊かにし、
その栄養を行き渡らせているおかげなんでしょうね。
紫雲出山に行った際は、この影の立役者にも注目してみてください。

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2011年07月15日ウスイロヒョウモンモドキを見に行きました。

大山隠岐国立公園 米子 米田美里

暑い日々が続いていますね。
今年の暑さも厳しそう。みなさん熱中症には気をつけてくださいね。

さて今年もウスイロヒョウモンモドキの活動する季節がやってきました!
ウスイロヒョウモンモドキは大山隠岐国立公園で唯一指定動物になっている生きものです。
中国地方の固有種で、現在は鳥取県、岡山県、兵庫県、そして島根県の一部で
わずかに生息するのみです。
大山蒜山地域では、かつては桝水高原や三平山で確認されていましたが、
現在では岡山県の新庄村に生息するのみとなっています。

去年の調査でははっきりとした生息場所がわからず
炎天下の中、何時間も歩き回りましたが
今年は生息地点に入り、5分と経たないうちに
なにやら琴線に触れるチョウが目の端に入りました。
近づいてみてみると、やはりウスイロヒョウモンモドキ!
その後も次々とウスイロヒョウモンモドキを確認することができました。


◎ウスイロヒョウモンモドキ。はねを閉じているところ。


◎偶然、目の前のオカトラノオにとまりました。


◎幼虫の食草のオミナエシ。お盆によく目にする黄色のお花です。

新庄村では、住民による草原環境の維持など、
ウスイロヒョウモンモドキの生息できる環境の整備が行われています。
草原環境から森林へと遷移したために、
姿が見られなくなってしまった草原性のチョウはたくさんいます。
森林と草原、どちらの方が良いというものではありませんが
それぞれの生態系の中で生物多様性を維持していくことができれば、と思います。


◎生息地点の近くで見つけたサルナシ。
 梨とは言ってもその味はキウイフルーツです。

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2011年07月14日季節のクラフト教室  【竹風鈴づくり】

瀬戸内海国立公園 高松 大林めぐみ

先週金曜にやっと梅雨明けしました!
香川は梅雨が明けると、一気に夏の空へと変わります。
そして、日差しが強く、雨の降らない暑い日々が続くのです。。
その暑さの中でも、耳から涼が取れる
竹風鈴づくりを行いました。




まずは竹についてのお話しと作り方の説明を、
パークボランティア(以下PV)の福西さんから。
五色台は、メダケやモウソウチク、クロチクなどさまざまな竹が生えています。
今の時期、タケノコから竹になる途中なので、
成長過程や皮の剥がれ方など見せてもらいました。

そのあと、普段馴染みのないノコギリやドリルなどの使い方やコツ
(力の入れ具合や持ち方など)を教えてもらいました。
少しでも扱いを間違うと、ケガの元!

要所要所のコツを伝授

いよいよ材料を取りに行って作業をはじめましょう!
・・・というものの、意外と何から始めていいのやら・・・
そんな時はスタッフが手助け。
暇をもてあましている子どもに声を掛け、順次作業してもらいます。
音が鳴る部分に使う竹の長さをはかり、


そして、お父さんが補助しながら切っていきます。

最初はノコ刃が途中で抜けなくなったり、竹がずれたりしましたが、
切っていく内にどんどん上達していきました。
見ているだけよりも、実際、道具を使って恐る恐るでもやってみた方が
覚えるのも上達も早いんです。


家族で協力して作業分担

風鈴の頭になる竹にも印しを入れて、音が鳴る部分と一緒に、
スタッフにドリルで穴を開けてもらいます。

そして、次はたこ糸で竹をどんどん結んでいきます。
しかし、この結ぶ作業が意外と難航。
実は、結ぶだけの作業は全部で約20ヶ所あるんです。
たこ糸の長さも使う場所によって違うので、
頭の中でこんがらがってしまう。。。




いえいえ、そんな時もスタッフが補助に入りますよ~。

試行錯誤しながらも、徐々に完成に向かいました。
時間内にできなくても、クラフトハウスをそのまま開放したので
慌てず、しっかりしたものができあがりましたね。


みんなで集合写真☆

チリンチリンと鳴るいつもの風鈴とは違った、趣のある竹風鈴。
風が吹くたびにポコポコと鳴る涼の取り方も、また良しです。
ちょっぴりバリのリゾート気分になれるかも?

**********次回 季節のクラフト教室**********
        【竹笛をつくろう】
日 時 ; 8月21日(日)10:00~12:00
場 所 ; 五色台自然体験ハウス(クラフトハウス)
参加費 ; 300円/人
持ち物 ; 汚れてもいい服装、暑さ対策(飲み物、タオルなど)
!注! ; 安全管理や作業工程上、遅刻された方は参加できない場合がございます。
      道に迷うことなども考慮しながら、余裕を持ってお越しください。

==========五色台ビジターセンターHP==========
http://www.ab.auone-net.jp/~goshiki/

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2011年07月13日大久野島おさかな放流・海岸クリーンアップ事業

瀬戸内海国立公園 広島 大髙下理恵

今年は早くも梅雨が明けました!
海開きを目前に各地で海岸清掃を実施しています。
大久野島でも海の環境学習の一環として、
7月10日におさかな放流・海岸クリーンアップ事業を実施しました。

数日前まで天気予報は連日雨マークでしたが、
心待ちにしていた子ども達の願いが通じたのでしょうか。
2日前には梅雨明け宣言、当日はこれ以上ない夏日となりました。

[清掃前の大久野島東海岸]

一見きれいに見える海岸ですが、
砂浜の奥にあるハマゴウなどの海浜植物や樹林の中には
発泡スチロールやカップ麺などの生活ゴミがたまっていました。
そして、2ヶ月前にはなかったブラウン管テレビも浜に漂着・・
まさか風には飛ばされないでしょうから、捨てられたのでしょうか。

[樹林の中はゴミだらけ]

[漂着したテレビ]

1時間半あまりのゴミ拾いできれいな海岸に戻りました。

[清掃の様子]


そして、その後は子ども達が待ちに待ったおさかな放流です!
今回はガザミの稚蟹とヒラメの稚魚です。
ガザミは甲幅1㎝程度で3月に生まれたばかりですが、
早ければ1年後には皆さんの食卓にあがるとか。
それを楽しみに一気に放流です!

[まだかなぁ]

[大きくなってね]

直ぐさま沖に旅立っていくのかと思いきや、
やはりヒラメは砂地が落ち着くようで
放流地点に寝そべっていました。

海岸清掃とおさかな放流を通して、
子ども達にも海の問題点や大切さが伝わったのではないでしょうか。
みなさん、暑い中お疲れさまでした!!

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2011年07月13日大山「蝶」の観察会を実施しました!

大山隠岐国立公園 米子 米田美里

大山にはたくさんのチョウがいます。
今回、大山に住むチョウを通して、大山の自然に広く親しんでもらおうと
『大山「蝶」の観察会』を行いました!
今回は桝水高原と鏡ヶ成の湿地と草原にいるチョウを観察しました。
雨の日が続いたため当日の天気が心配でしたが、
観察会前日の8日に中国地方の梅雨明けが発表され
当日は青空の広がる良いお天気となり、
隠岐諸島や三瓶山も大山から見ることができました。


◎弓ヶ浜もきれいに見えていました。


◎ウラギンヒョウモン(左上)、ミドリヒョウモン(右上)
 ヒメシジミ(左下)、コキマダラセセリ(右下)


◎観察会では、チョウを傷つけないタモ網の使い方を専門講師から教わり、チョウを虫かごで観察し
その後のチョウはその場で放しました。


◎翅を開いたヒメシジミのオス
 縁の白色は模様ではなく縁毛(えんもう)といわれる毛だそうです。
 時間が経つとこの縁毛が抜け落ちていくので、
 羽化してからの日数の目安になるそうです。

普段何気なく目にしているチョウですが、
よく観察してみるとそれぞれ特徴があり、とても興味深かったです。
実際、この観察会を企画してから、普段街中で見ることができるチョウにも
たくさんの種類がいることに気がつきました。
みなさんもぜひ、身近なチョウを観察してみてください!

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2011年07月12日ウスイロヒョウモンモドキ生息調査

大山隠岐国立公園 松江 太田嘉和

突然ですが「オカトラノオ」と言う花を御存知ですか。
写真の花がそうなのですが、実は私も実物を見るのは初めて。
美しい花ですよね。



ところで主にこの花の蜜だけを吸う蝶がいるのを知っていますか。
ウスイロヒョウモンモドキと言う蝶です。
この日記でも何度か話題に上がっている蝶ですが、絶滅の恐れがある種をまとめた「レッドデータブック」の中でも危機的状況の絶滅危惧Ⅰ類にあげられています。
今日は三瓶山でその生息調査に参加しました。

道中、森には白い大きな花の様なものが目立ちます。マタタビの葉っぱです。
それとクマノミズキの花が森をにぎやかにしています。

ヤマアジサイも綺麗でした

今年はずいぶんと早い梅雨明けになりましね。この日も暑い一日でした。
ただ山の上は風が強く、危く麦わら帽子を吹き飛ばされそうになりました。
風があるぶん涼しいのですが、蝶には飛びにくい強風です。
虫取り網を逆に持って、柄でススキ草原をなでて、隠れている蝶をおびき出します。
ススキ草原をなでながら蝶を探し出すと言うと優雅なものだと思うかもしれませんが、実際は藪がポコポコあるためスムーズになでられません。それに斜面でデコボコ、イバラに引っかかれ身動きもままならない。私の人生と同じです。

この日は名峰大山を望めました そして島根半島の向こうになんと隠岐も見る事が出来ました(この写真じゃわからないですが・・・)

ススキ草原で花なんて見えませんでしたが、入ってみると一番初めの写真のように「オカトラノオ」があちらこちらに咲いていました。
これは長年ウスイロヒョウモンモドキの生息地を保全しようと、植え続けてきた人々の努力のおかげでした。
この日ウスイロヒョウモンモドキは見つかりませんでした。
いま日本中世界中で多くの種が絶滅しようとしています。
私達の見た目には自然はなにも変わっていない様に見えます。
ですが私達の知らない自然のなにかが、もう失われつつあるのかもしれません。

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