ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]

中国四国地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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2010年6月

17件の記事があります。

2010年06月15日塩飽諸島~本島~

瀬戸内海国立公園 高松 大林めぐみ

やっと梅雨入りしましたね。
これからしばらくは雨が続くんでしょうか。
その梅雨前に瀬戸大橋からも見える塩飽諸島の中心島、本島に行ってきました。

塩飽諸島は有人、無人合わせて28島あり、本島は2番目の大きさの島です。
本島は塩飽水軍の本拠地でもあり、豊臣秀吉以来、自治権を安堵された人名と称された650人の水夫達が統治し、明治維新までそれが続きました。
幕末に太平洋を渡った咸臨丸の乗組員として活躍したのも塩飽の人達です。

本島へは丸亀港から出発して35分ほどで到着。
カーフェリーもあるので、車で行くことも可能。


本島港は、他の島に比べて
異国っぽい雰囲気。

本島港の近くにはパークセンターがあり、そこに本島パンフレットが置いています。それを見ながら遠見山展望地へ向かいます。
グルッと島内を一周したいなら、レンタサイクルもあるのでそちらで回った方が早いですね。

本島パークセンター

港から遠見山展望地へと向かう最中、本島中学校では運動会の予行練習が行われていました。賑やかに子供たちが翌週の本番に向けて練習していました。
展望地までの道中には石造の指導標があり、それに従って進んでいきます。
で、遠見山の中に入ってしばらくすると・・・

ここからが遊歩道入口。

徒歩約10分程度で展望地まで行けます。
階段状で勾配もきつくないので、小学校低学年の子供でも大丈夫です。
そして展望地到着!


備讃瀬戸の多島美が美しい!
ですが巡視日は生憎のお天気。。。残念。。。

ここから来た方向と逆に下りていくと笠島集落に出ます。


ここは国選定の伝統的建造物群保全地区。
迷路のような町並みに美しい漆喰の白壁、千本格子の出窓を配した家々がなんとも云えぬ情緒を醸し出してくれます。
そして、メイン通りの名前が『マッチョ通り』
個人的にツボでした。

本島港近くには環境省が選定した「快水浴場百選」に選ばれた
『泊海水浴場』があります。
そして、特に優れた特選12ヶ所の「島の部特選」
(島の部は1ヶ所のみ!)にも選ばれています。


海浜植物で浜は鮮やかに。

そして本島にはこんなことも

フェリーが着くとご主人を迎えに来る猫がいます。
めちゃめちゃカワイイ!!健気です。

本島は自然や多島美景観だけはなく、独特な歴史や文化が色濃く残る島です。
まだ行ったことのない方も、例えば海水浴に出かけてみて
そして史跡や展望地なども回ってみてください。

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2010年06月15日ウスイロヒョウモンモドキ保護活動作戦!

大山隠岐国立公園 松江 太田嘉和

全国各地一気に梅雨入りしましたね。
ここ島根県も今日は雨模様ですが、梅雨入り前の最後の日(土曜日)、
ウスイロヒョウモンモドキの飼育ゲージの設営をお手伝いしに、三瓶山に行ってきました。

ウスイロヒョウモンモドキとは?
これは三瓶山を代表する蝶で、国の絶滅危惧I類(絶滅の危機に瀕している種)に指定さている貴重な蝶です。

そのウスイロヒョウモンモドキを保護しようと、地元有志の方々・大学・行政の方々などが連携を取って活動を続けています。
毎年島根大学の星川先生が幼虫たちをわが子のように大事に育てられ、それを野外に放虫していましたが、
昨年幾つかの要因が重なって、蝶になれた者がとても少なかったのです。
存続が危ぶまれる状況です。

そこで今年はできるだけ数多く蝶になってもらうため、野外にゲージを設けて成長を助けようという作戦です。

この日は暑かった~。
皆汗びっしょりになって資材を担ぎ上げました。
「これはしんどい。これから設営なのに・・・」
ですが山の斜面で作業を始めると、そこには涼しい風が。
私たちに恵みの風です。


「オミナエシ」がしっかり根付いていました

地面には以前皆さんが植えた、「オミナエシ」など(ウスイロヒョウモンモドキにとって大切な草)がたくさん生えてきてくれていて、踏まないように作業するのが大変。

素人たちの設営ですが皆さんが力を合わせ骨組みを完成する事ができました。




野生の生き物たちは、微妙なバランスの係わりの中で、かろうじて生き続けています。
わずかな何らかの要因によって、絶滅することもあります。
どうか皆さん、かけがえのない大切な命たちを見守ってください。


本物のウスイロヒョウモンモドキをぜひ見たいものです

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2010年06月04日島根半島(東部)

大山隠岐国立公園 松江 太田嘉和

先日まで松江は朝晩肌寒い日すらありました。
ですが6月に合わせたかのように暑くなってまいりました。

今回(6月3日)は国立公園 島根半島の東部に行ってきました。
今日は一段と暑くて汗をかきかき歩いてきましたよ。

環境省では国立公園を皆さんに気持ちよく利用していただくために、業者に委託して清掃をおこなっています。
今回の業務は、その委託業務に当たっての現地調査がひとつ。
今年度中国四国地区のアクティブレンジャーは、定点観測というものを行います。
その場所の選定がひとつ。
そして私 島根半島東部は初体験ですので、状況確認・巡視なども含めて行ってまいりました。

「ゲゲゲ」発祥の地?「境港市」の対岸、橋を渡って長く尖った半島の先端に向かうと美保関があります。
その玄関口に「五本松公園」はあります。
5月にはツツジが咲き誇るこの公園は、海岸から高台に登る自然公園です。
登る道すがらには草木の名前と説明の書いた手作りの札が付いていて、なかなかおもしろい。
それを読んでちょっと木の勉強してしまいました。

高台にたどり着くとそこには、森と入り江の町と日本海、そして大山を望む景色が広がっていました。

広場には大き目の東屋もあり、この景色を眺めながらのんびり過ごす事もできますよ。


広場は小さな花たちが咲き広がっていました


またその先にも遊歩道があり、美保関先端の「地蔵崎」まで続いています。
ちょうどその地蔵崎から歩いてこられたご夫婦から、美保関や大山の事、色々と伺いました。
これからはササユリ(ヤマユリ)などなどが見られるそうです。
大切な公園内の花。皆で見守っていきましょう。


緑のトンネルを歩く遊歩道  暑い日差しをやさしくしてくれます
今年初めて蝉の鳴き声を聞きました


美保関の岬「地蔵崎」。
ここは昔から航海の重要な目印・場所。
鳥居の先に祭られているのは“海”でした。
真っ青に広がる日本海と生茂る緑、そして白い灯台。
空気の澄んだ日にははるか隠岐の島が見えるそうです。


明治31年築の灯台は「世界灯台100選」に選ばれています
石造りのビュフェも隣接されています(今日は閉まっていましたが)


島根半島の入り組んだ地形と美しい海。
一見の価値ありです。
晴れた日には是非!

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2010年06月04日マムシに注意!

大山隠岐国立公園 米子 米田美里

明日は大山夏山開き前夜祭です。
環境省の直轄施設である下山野営場は
例年、2日目の夏山開き山頂祭への参加者のみなさんが多く利用されます。
先日、その下山野営場でマムシが目撃されたと言うことで、
自然公園財団の方と注意看板を設置してきました。


◎注意!!

設置する間、野鳥のさえずりが聞こえていた野営場内は
コーン、コーンと木を打ち付ける音が響いていました。
設置場所は野営場の入口と人の多い炊事棟の前です。
マムシは変温動物ということで、アスファルトなど暖まったところに出没します。猛毒がありますのでご注意ください!

ところでこの注意看板、見ておわかり(?)の通り事務所の手作りです。
学生時代に美術の時間にレタリングという授業内容があったなぁ。と
文字を書いている最中、思い出していました。


◎着々と夏山開き祭の準備が進む大山博労座駐車場。
 大山の夏山開き前夜祭といえば2000人のたいまつ行列!一見の価値有りですよ!

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2010年06月04日★宮島パークボランティア設立10周年記念写真展開催★

瀬戸内海国立公園 広島 大髙下理恵

肌寒い日も終わりを迎え、
やっと暖かくなってきました。
しかし、カラリとした日もいつまで続くのやら、
今年ももう梅雨入りの季節です。


さて、4月にご報告しましたが、
宮島パークボランティアの会(以下PV)は
今年6月で設立10周年を迎えました!
10周年を記念し、6月3日~8日の1週間、
宮島島内にあるぎゃらりぃ宮郷で写真展を開催する運びとなりました。
「PVが選ぶ新宮島八景※」や「宮島の植物」とともに、
PVの10年間の活動が紹介されています。
※「宮島八景」は300年前に光明院の僧侶たちによって、
「大元櫻花」や「有浦客舩」など八カ所が選ばれました。

みなさんの知らないところで、
宮島の美化清掃や環境整備、
自然保護の普及啓発活動、
また国立公園の利用者指導など多岐に渡り、
日々活動してこられました。
その一部をご覧いただければと思います。

場所は町家通りにあるぎゃらりぃ宮郷で、
10~17時(5日は13時から、8日は15時まで)に
ご覧いただけます。
期間中はPV会員の方も常駐されています。
活動内容や宮島についてなどご質問があれば、
是非お訊ねください!

ぎゃらりぃ宮郷さんのHPにも掲載されています↓↓↓
http://ww4.tiki.ne.jp/~miyazato/



[ぎゃらりぃ宮郷:町家通りの五重塔近く。カフェもやってます。]


[搬入作業風景]


[桟橋に設置された消毒マット]余談ですが、宮島でもシカへの口蹄疫対策が始まりました!

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2010年06月03日大山登山道整備

大山隠岐国立公園 米子 米田美里

6月になりました。
いよいよ大山も今週末、夏山開きが行われます。
それに先駆け、先月の25日に大山の主要登山道である夏山登山道とユートピア登山道の登山道整備が地元の方々や関係機関によって行われました。

当日は登山口付近のお天気は曇りでしたが、
3合目を過ぎたあたりからは雨に打たれながらの作業となりました。
6合目を過ぎると雲の中に入り強風+視界も真っ白。
朝早く大山登山に挑んだ中学校は強風のため8合目で引き返してきたとか。
大山蒜山地域のARとなって今年で3年目になりますが
このような状況の大山登山は初めてです。

登山道には先日からの強風でブナなどの風倒木も多数あり
小規模なものは取り除き、規模の大きな倒木は処理方針を確認しました。
その他には、色の薄くなった注意看板などの修繕を行いました。


◎道を塞ぐ倒木を除去しました。

◎注意看板の補修

◎雲の中の大山頂上避難小屋。視界が悪く、近くに行くまで全く見えませんでした。風雨に晒され寒かったです。。

☆☆☆

6月2日に大山山頂の旧縦走路で滑落死亡事故が起きました。
この旧縦走路は歩道は元より尾根筋全体の崩壊が激しく大変危険なため、
昭和57年には環境省の公園計画の歩道から削除されています。
毎年の登山道整備や頂上保全作業の際には、立入禁止のロープを補修しています。
しかしその後も旧縦走路に立ち入る人は後を絶たず、多くの事故が起きてきました。

ここ最近、大山では頻繁に崩落の音が響いており、
登山道整備の際も雷鳴かと聞き間違うほどの崩落音が鳴り響いていました。
大山は日々、崩壊が進んでいます。
運良く縦走が出来たからといって、次も無事に通れるとは限りません。後戻りさえ出来なくなる可能性だってあります。
弥山頂上碑から三角点までの区間は植生回復のためということもありますが、
旧縦走路(弥山→ラクダの背→剣ヶ峰→天狗ヶ峰→ユートピア)は、大変危険であるために使用禁止になっているのです。

☆☆☆

6月5日、6日に行われる大山夏山開き祭により
大山は本格的な夏山シーズンを迎えます。
今回、登山道整備に参加した関係機関、地元の人たちの思いは一つです。
みなさん安全に、マナーを守って楽しい大山登山を満喫して下さい。

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2010年06月01日モリアオガエルの産卵

瀬戸内海国立公園 広島 大髙下理恵

先日、広島県廿日市市にあるおおの自然観察の森に行ってきました。
自然観察の森は全国に10カ所あります。
その1カ所が広島の廿日市市にあるってご存じでしたか?
ここへの公共交通手段はなく、
大野ICを下りて速谷神社を過ぎると
北へ約10キロ、細いぐねぐね道を上っていきます。

ここで最も有名なのが、
広島県指定天然記念物のベニマンサクです!
このかわいらしい丸い葉のベニマンサク、
実は広島ではこの周辺でしか見ることができません。
全国的にも長野や岐阜、高知の一部でなど、
なぜか飛び地的に自生しているとても変わった植物なのです。
紅葉は10月上旬に始まり見頃を迎えますが、
新緑もなかなかのものでした。

[県指定天然記念物ベニマンサク]

そして、この時期に見られるお宝、
モリアオガエルの産卵が確認されました!
田んぼやため池などにかかる樹木の上に産卵をし、
おたまじゃくしになると木から落ちて水で生活できるという訳です。
野球ボール大の泡状の卵塊があちらこちらで
ベニマンサクに産み付けられていました。
樹木に卵塊を産み付けるカエルも非常に珍しいですが、
ベニマンサク+モリアオガエルの組み合わせも
ほかではなかなか見ることはできないのではないでしょうか。

ですが近年、
彼らの繁殖地である田んぼやため池などが減少し、
モリアオガエルは減少の一途を辿っています。
今ある限られた環境を少しでも残していきたいですね。



[ベニマンサクに産み付けられたモリアオガエルの卵塊]

[何個見つけられるでしょうか?]

[モリアオガエル:本来は黄緑色ですが、他カエル同様変色します]

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