ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]

中国四国地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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2009年5月

13件の記事があります。

2009年05月11日ミヤジマトンボ生息地環境保全整備

瀬戸内海国立公園 広島 大髙下理恵

みなさん、ミヤジマトンボをご存じでしょうか?

ミヤジマトンボは日本と中国の2ヶ国のみ生息する希少種で、
日本では瀬戸内海国立公園でもある宮島にしか生息していません。
宮島の中でもわずか3ヶ所。
海に面して開けた谷の谷底にできた湿地で、山間からの湧出水と海水が入り交じる海浜湿地という特殊な場所にしか生息しておらず、環境省レッドリストでも“絶滅危惧Ⅰ類”に選定されています。

瀬戸内海での沿岸では開発などによる埋め立てが進行し、
現在では自然海岸がほとんど残っていません。
そんななか、宮島には手付かずの自然が残されており、
また他のトンボが生息できない海浜湿地という場所を利用し、
生き延びてきたと考えられています。

しかし、近年の大型台風や秋季冬季の風波などの影響により、
トンボの生息地である湿地と海を結ぶ水路が砂で塞がってしまい、湿地がプール状になってしまいました。
ミヤジマトンボは水があるかないかの干潟のような状態を好むため、
水路を復旧し、水を排出する作業を今回行ってきました。

1年前にも水路の復旧作業を行いましたが、
湿地にはすでに水がたまっている状態でした。
作業は水路に埋まった砂をひたすらシャベルでかき上げ、両側を土嚢で積んでいくというものです。


最初は一日で終わるのか・・と心配もありましたが、
みんなの力を合わせるとできないものはないですね!
見事水路を復旧し、湿地の水もミヤジマトンボが産卵に適した水深に戻すことができました。


ミヤジマトンボの産卵は5月下旬から始まります。
生息地は一般公開されていないため湿地の写真は掲載できませんが、
トンボの成虫が飛び回るころ、
トンボの写真も併せてご報告したいと思います。

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2009年05月01日にぎやかな春の海 ・ 野忽那島

瀬戸内海国立公園 松山 永田清美

こんにちは、松山のARです。
先日の二神(ふたがみ)島に続き、松山沖の島・野忽那(のぐつな)島に
巡視に行ってきました。

島には、夏場は海水浴場となる砂浜があります。


海の色は南の島のようにとてもキレイ。でも海岸にはたくさんのゴミ。
何度清掃がなされても流れ着いてしまいます。
瀬戸内の海岸には、天候や潮流によりたくさんの漂着ごみが見られますが、
ごみがないなと思うきれいな海岸の多くは、地元の方などによる地道な
清掃活動が行われています。

集落とは反対側の島の裏側にも、砂浜があります。
野忽那島へ行ったのは、2度目。この浜へは初めて行きました。
ちょうど干潮時だったようで、潮が引いた海岸には、アマモ・コアマモの
草原が広がっていました。


そこには、とても大きなアメフラシなど、
いろいろな生物がににぎやかにひしめいていました。


豊かな海の一面が垣間見られました。

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2009年05月01日紫の花がお出迎え◎毛無山

大山隠岐国立公園 米子 米田美里

GWを目前にしたこの時期、
大山隠岐国立公園の大山・蒜山地域でもっとも注目を集める山があります。
その山の名は『毛無山』。
今回はこの毛無山についてご紹介したいと思います。

毛無山は平成14年に大山隠岐国立公園に編入された山で、
『水源の森百選』にも選ばれたブナ林が広がっています。
さて、なぜこの毛無山がこの時期ににぎわうのかというと・・・
みなさんこの花が目的なんです!



この紫の花の名前みなさんご存じですか?
たぶん誰でも一度は聞いたことのあると思います。
その名もカタクリです!
そう、昔はこのカタクリの球根から片栗粉がつくられていたんです。

毛無山はこのカタクリの花が群生していることで有名です。
そのためカタクリの咲く4月下旬から5月上旬には多くの人々が
この花を見るために毛無山に訪れます。

毛無山には鳥取県側からと岡山県側からの2つのルートがありますが、
今回は鳥取県側をご紹介します。
このルートでは5合目を過ぎた辺りからカタクリが自生しており、
その可憐な姿を見せてくれます。
そしてなんといっても毛無山の見所は8合目のカタクリ広場!
一面に広がったカタクリの群落はもう「すごい」の一言です。
(岡山県側から登った場合、毛無山山頂から白馬山への
縦走路の途中にカタクリ広場があります。)

今年はGWの前半までカタクリの花を見ることができそうです。
毛無山は登り1時間半程度のなかなか手頃な山です。
是非みなさん一度カタクリを見に行ってみてください!


◎群生するカタクリ

◎突然変異の白色のカタクリ

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