【注意】スイゲンゼニタナゴの取り扱いについて
2014年04月07日
【注意】スイゲンゼニタナゴの取り扱いについて
中国四国地方環境事務所 野生生物課
岡山県と広島県には、スイゲンゼニタナゴ(Rhodeus atremius suigensis)が分布しており、「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律(種の保存法)」により保護されています。
最近、これを「カゼトゲタナゴ山陽地域個体群」とする見解もありますが、分類学上の議論が分かれている段階と認識しています。現在の種の保存法上は、スイゲンゼニタナゴとして国内希少野生動植物種に指定されていることに何ら変更はありません。
したがって、従来どおり、捕獲、殺傷、譲渡し、譲受け等については規制対象であることに変わりありませんのでご注意ください。
スイゲンゼニタナゴとは
1.分類
コイ目 コイ科
絶滅危惧ⅠA類(環境省レッドリスト2013)
Rhodeus atremius suigensis
2.形態的特徴及び生物学的特性
全長約5cmで、日本に分布するタナゴ類の中で最も小型。約1年で成熟し、寿命は約2年である。淡水二枚貝のイシガイ等のエラに産卵する。主に、平野部から山間部にかけて細い流れや河床湧水がある中小河川、石組護岸や土護岸で自然河床を持つ灌漑用水路の流れの緩やかなところ等に生息。
3.分布状況
- 国内では山陽地方の一部にのみ局在する。
- 主に支流や農業用水路で見られ、それぞれの生息地は分断される傾向にある。
4.生息を脅かす主な要因
- 都市化や圃場整備等にともなう河川中・下流域および水路の改修
- 農村地域の宅地開発の進行等に伴う水質汚濁
※上記2点は産卵基盤である淡水二枚貝への影響も大きい - 外来魚の影響(オオクチバスによる捕食、タイリクバラタナゴとの競合)
- 違法捕獲(観賞魚としての流通)
- 遺伝的多様性の低下(生息地分断と個体数減少の結果)