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中国四国地方環境事務所

瀬戸内海国立公園・宮島のゼロカーボンパークの登録について

環境省では、国立公園の脱炭素化に向け、令和3年3月から「ゼロカーボンパーク」の取組を進めています。
この度、瀬戸内海国立公園内にある宮島(広島県廿日市市)が中国四国地方で初めてゼロカーボンパークに登録されましたのでお知らせします。
宮島では、ゼロカーボンパークとして、持続的な観光の推進、脱プラスチックの推進、小型モビリティ等の活用、普及啓発などに取り組んでいくこととしています。
中国四国地方環境事務所では、これらの取組を支援してまいります。

1.概要

瀬戸内海国立公園は、我が国最初の国立公園として昭和9(1934)年に指定され、海域を含めると現在国内で最も広大な歴史ある国立公園です。広大な内海に大小数々の島が浮かぶ美しい多島海景観が魅力であり、古くは万葉集などに名所が記されるほど早くから文化が栄え人と自然とが共存してきた地域のため、段々畑や港町などが調和したどこか懐かしい風景が広がり、天候や季節、時間等により刻々と姿を変える素晴らしい風景を楽しむことができます。
宮島は、1500年近い歴史を誇り、日本を代表する景勝地で日本三景の一つでもあります。宮島の嚴島神社の後背地に位置する弥山は、古くから山岳信仰の対象となっており、天然のモミ・ツガ林や南方系のミミズバイなどの原生林が見られ、初心者から登山や展望を楽しむことができます。嚴島神社と背後の弥山原始林(天然記念物)は、平成8年に世界文化遺産に登録され、多くの利用者が訪れています。
廿日市市は令和4年6月9日にゼロカーボンシティを宣言し、廿日市市環境基本計画の将来像「海と緑と人が育む環境創造都市はつかいち」の実現に向け、市民、事業者、行政の「オールはつかいち」で、「2050年カーボンニュートラル」を目指す「ゼロカーボンシティ」に取り組んでいるところです。
今般、ゼロカーボンパークとして登録されることとなった取組の概要は以下のとおりです。

2.ゼロカーボンパークの取組の概要

(1)持続可能な観光の推進

  • 宮島訪問税(令和5年10月から)による、持続可能な観光に向けた取組(自然・文化・歴史の保全継承、受け入れ環境の向上等 )の推進
  • 温室効果ガス排出量の削減に向けた、市民・事業者への再エネ・省エネ設備の導入・更新および EV車両等購入費補助 の実施

(2)脱プラスチックの推進

  • 公共施設へウォーターサーバー設置し、マイボトルの利用の促進をはかることによる 脱プラの推進
  • 民間事業者(旅館・ホテル・表参道商店街など)に対する、脱プラを促進するための補助制度の検討

(3)小型モビリティ等の活用

  • CO2排出量の低減に寄与するグリーンスローモビリティの実証実験(令和5年度)を行い、観光客の移動手段として導入の可能性を検討

(4)普及啓発

  • 利用拠点(宮島桟橋旅客ターミナル)のほか、市HP、SNS、イベントの実施等より、各種取組について普及啓発

参考

○ゼロカーボンパークとは

ゼロカーボンパークとは、国立公園における電気自動車などの活用、国立公園に立地する利用施設における再生可能エネルギーの活用、地産地消などの取組を進めることで、国立公園の脱炭素化を目指すとともに、脱プラスチックも含めてサステナブルな観光地づくりを実現していくエリアです。
国立公園をカーボンニュートラルのショーケースとし、訪れる国内外の人たち脱炭素型の持続可能なライフスタイルを体験していただく場作りを目指しています。これまでに中部山岳国立公園の乗鞍高原エリアなど10箇所がゼロカーボンパークとして登録されています。
環境省HP:https://www.env.go.jp/nature/post_134.html
 

○支援の枠組み

環境省では、ゼロカーボンシティ支援に活用しているエネルギー対策特別会計予算等の既存予算をパッケージとして支援する他、中国四国地方環境事務所が廿日市市と連携をとりながら伴走支援を行うこととしています。

【問い合わせ先】

環境省中国四国地方環境事務所
 国立公園課
 課長:柘植 規江
広島事務所
 自然保護官:山脇 一浩
電話番号(広島事務所):082-511-0006