第5回 気候変動適応中国四国広域協議会 議事概要
第5回気候変動適応中国四国広域協議会
日時:令和3年3月5日(金)13:15 - 16:15
場所:Webex によるオンライン開催
開会
第1部(公開)
1 構成員の変更について(資料1)
【協議】
意見なし
2 環境省気候変動適応室より情報提供(資料2)
【質疑応答】
○白井アドバイザー(山陽学園大学 地域マネジメント学部 地域マネジメント学科)
高校生の探求学習で気候変動適応について学ぶことが考えられるが、そのような探求学習の支援施策の状況を教えていただきたい。
ESGやSDGsにおける気候変動の扱いや施策についても教えていただきたい。
○気候変動適応室
ご質問の件、高校生等の環境学習のニーズについては承知している。気候変動適応室としては、学習用の普及啓発資料等を用意していないが、A-PLATで様々な方々を対象に教材などの普及啓発資料を用意しており、そちらをご活用いただければと思っている。
また、この後ご紹介があるかもしれないが、国民参加事業の一環で各地域気候変動適応センターが普及啓発活動をされており、地域によっては教材を作られている事例がある。
SDGsに関して、私どもでも庁内のSDGs関係部署等と連携しながら進めているが、今のところSDGsの中で適応を語るような普及啓発資料は、用意していない。
○白井アドバイザー(山陽学園大学 地域マネジメント学部 地域マネジメント学科)
今後、地域で実践していく中で具体的な形が見えてくると思う。
地域循環共生圏の中でも、気候変動適応を中心とした取組の事例もさらに出てくると良い。
3 「日本の気候変動2020」について(大阪管区気象台、福岡管区気象台:資料3)
【質疑応答】
○中国四国地方環境事務所 環境対策課
将来、強い台風の割合の増加や台風に伴う雨と風が強まるとあるが、どの程度の強さになるか把握されているか。
○福岡管区気象台
「日本の気候変動2020」の本編に台風の将来予測について記載はあるが、日本の南海上で猛烈な台風の存在頻度が増加するといった大まかなものだけであり、定量的な予測は今後の課題だと認識している。
4 地方公共団体取組紹介
(1) 国民参加による気候変動情報収集・分析事業報告(愛媛県:資料4-1)
(2) 地域気候変動適応センター
(徳島県:資料4-2、香川県:資料4-3、愛媛県:資料4-4、高知県:資料4-5)
【質疑応答】
○白井アドバイザー(山陽学園大学 地域マネジメント学部 地域マネジメント学科)
愛媛県の適応センターのアンケートについて、性別、年齢別、地域別のようなクロス集計を行うと違った結果が見えてくると思うがいかがか。特に、県全体の集計であると人口の多い都市部の影響がより強く表れてしまうので、人口が少なく、脆弱性の高い中山間地域独自の深刻な影響や問題が隠れてしまう。どのように分析されているか状況を教えていただきたい。
徳島県の気候変動適応推進員は聞いたことがなく、素晴らしい取組だと感じる。これは、気候変動の緩和の推進員と同じ方がされているのか。その場合は、緩和と適応の普及啓発を同時にされることもあると思うが、実際の状況を教えていただきたい。
香川県の県民向けのワークショップで、何をされているのか。例えば、県民が地域への影響を抽出する、自助・互助の適応策を考えて実践に移す等も考えられるが、ワークショップのねらいを教えていただきたい。
○愛媛県
結果が人口の多い都市部に影響されるとのご指摘は課題として認識しており、現在、国立環境研究所の協力を得ながら、地図上に落とし込む作業を進めているところ。ご指摘いただいた都市部への集中はごもっともなので、今後の解析課題にする。
○徳島県
温暖化防止活動推進員の制度が別にあるが、意識の高い方は気候変動適応推進員と両方されている。研修方法等は手探りの状態であるので、色々な意見を聞きながら今後も進めていきたい。
○香川県
県民ワークショップは来年度からの事業であり、内容はまだまだ詰める必要がある。現時点では、県民が日々の生活で実感している県特有の気候変動影響に関する情報を収集し、その影響の原因や適応策を県民と行政が一緒に考えるという内容で検討している。
○白井アドバイザー(山陽学園大学 地域マネジメント学部 地域マネジメント学科)
県民ワークショップは重要な取組であると思うので、状況やノウハウを共有できれば良い。
○中国四国地方環境事務所 環境対策課
最初の方で白井アドバイザーからご質問のあった、地域循環共生圏と適応の関わりについて少し補足。適応は、地域循環共生圏の前提として組み込まれるべきものであり、また地域循環共生圏の非常に重要な要素だと考えている。
地域循環共生圏では、地域固有の資源を賢く使っていくことが重要になる。例えば、愛媛県の発表で、温州みかんの適地が変化しているとのことだった。これまで採れていた場所では採れなくなり、その場所ではブラッドオレンジなど別の(高温耐性のある)柑橘類の栽培が始まり、新しい資源になる。このように、適応は地域循環共生圏の資源となるものの基礎となっていく。
防災の観点では生態系を防災に使うことがある。湿地や遊水地は、洪水のバッファーになり、また観光などの地域資源にもなりうる。また、再エネと防災にも深い結びつきがあり、避難所などの防災拠点に再エネを導入して、災害時の独立電源として利用すると、環境寄与と防災時の適応にもつながる。総合的な施策として、地域の持続可能性を高めるための非常に大切な要素になると思う。
第2部(非公開)
気候変動適応における広域アクションプラン策定事業 中国四国地域令和2年度事業報告(案)(公開資料)