ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]

中国四国地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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2009年9月

13件の記事があります。

2009年09月03日緑のカーテン~アサガオの種収穫~

足摺宇和海国立公園 土佐清水 新堀麻子

お盆には花が終わりかけていたアサガオの“緑のカーテン”も終盤です。
葉っぱが枯れ落ち、少しずつ茶色く変わっていくアサガオの実。
徐々に実が割れ、種がこぼれでてきています。

お盆過ぎから少しずつ種を収穫していきました。
業務の合間でやるには、ネット全体に広がる種は到底1日では摘みきれず何日かに分けて作業しました。
ようやく、種摘みに目処がついてきたなと一息ついたところです。


緑のカーテンも終盤です

なるべくこぼさないようにと摘んでいるつもりでもどうやらたくさん落としてしまっているようです。
うまく土の上に落ちた種が早くも芽をだし、プランターが再び青々と茂ってきてしまいました。
全体的に小ぶりサイズですが、花を咲かせているモノもあります。
まだまだ日射しの強い土佐清水では、二期作が可能なのかもしれません。
新しく芽を出しツルをのばしている姿を見ると、この緑のカーテンの終了のタイミングをどの時点にすればよいのか悩ましい。

2期生が咲き始めてしまいました

1つの実に6粒前後の種が入っていました。
それを収穫し続けた結果、かなりの量が集まりました。元々は手のひらにのるほどの量でしたが、収穫したらなんと500mlのペットボトル1本強の量に。
今年はたくさんの花を咲かせてくれ、何倍もの収穫となりました。

収穫した種は、植えたときの何倍もの量になりました

来年の緑のカーテンに必要な分だけを事務所に残して、この“種”で緑のカーテンの定着へと根づいていけたらいいですね。

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2009年09月01日暑いときは涼しく! トコロテンを作ろう!

瀬戸内海国立公園 高松 大林めぐみ

 だんだんと朝晩と涼しくなってきて、秋の気配を感じ始めた今日この頃です。

 少し前になるのですが、五色台VCで季節のクラフトイベント、『トコロテンを作ろう!』に参加してきました。

 トコロテンは、五色台の麓にある八十場(やそば)の名物です。香川県でトコロテンといえば?・・・八十場!と答えが返ってくるくらい有名所なんですよ。
 そういえば、トコロテンって何から出来てるの?
みなさん、知ってますか?
実は、トコロテンはテングサという海藻から作っています。今回は、テングサをトコロテンの名店、清水屋さんから分けてもらい作っていきます。

 まずは、トコロテンを洗ってから、鍋に水を入れて強火で煮詰めていきます。この時の水の配分がすごく重要なんです。だいたいテングサ50gに対して水3L位にして、煮詰めながら水を足したりして調整していきます。
 水が少ないと、ドロドロで粗熱を取る間に固まってしまうので注意です。



洗う前のテングサ

どんどん煮詰めていきます。

 30分位煮詰めていくので、火の番を交代でしながらその間に竹細工。
今回は自分たちがトコロテンを食べる器とお箸も竹で作ります。
PVさんが切ってくれた竹を縦、横好きな方向に切って器にします。
お箸は、器として切った竹の切れ端をナタであらかじめ細くして、小刀で先を細くしたりして自分好みのお箸を作っていきます。

 そんなこんなしていく内に、トコロテンが煮詰まり、粗熱を取って木綿でこして冷蔵庫へ。あとは固まるのを待つのみ。

 そして・・・出来上がり!
トコロテン突きに入れて、みんな代わる代わる突いていきます。固さはやはり水の分量のようで、少し出づらいのもありましたが成功です!


出てくるかなぁ・・・

出来たよ!モミジで色を添えて。

 酢しょうゆで食べたり、黒蜜で食べたり、それぞれ好みの味付けをして試食です。どんどん食べれそうな感じですが、結構お腹にたまるんです。これが意外と。食欲がないとき、ダイエットしたいときにピッタリかも。



初トコロテン

 意外と簡単に出来るので、みなさんも自宅でやってみてはいかが?
寒天が作りたい方は、トコロテンの工程に凍結→天日干しをして出来上がります。少し手間がかかりますが、やってみる価値ありです。

次回の季節のクラフトイベントは・・・
9月20日(日)『段ボールオーブンでピザ作り』です。
興味のある方はぜひ!

五色台ビジターセンターHP
http://www.ab.auone-net.jp/~goshiki/

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2009年09月01日インタープリター指導者研修@宮島

瀬戸内海国立公園 広島 大髙下理恵

22日に瀬戸内海環境保全普及活動推進事業の一環として、
インタープリター指導者研修に参加させていただきました。
講師は自然教育研究センターの古瀬先生をお招きし、
パークボランティアの会員を含む総勢21名の参加者で行われました。

ところで皆さん、
「インタープリテーション(Interpretation)」という言葉、
聞かれたことはありますか?
英語の直訳では「解説、演出、通訳」などと訳されますが、
ここでは、「単なる情報の提供でなく直接体験や教材を通し、
事物や事象の背後にある意味や関係を明らかにすることを目的とした教育活動
(フリーマン・ティルデン Freeman Tilden)」と定義されています。
そして、インタープリターとは自然と来訪者との間に入り、
「自然のメッセージを伝える媒介者」のことを指します。

まず、レクチャーでは「みる」とはどういうことか?から入りました。
みる、見る、観る、視る、看る、診る、覧る・・・
「みる」だけでもたくさん。
そして意味もそれぞれ異なります。

ここで、古瀬先生から最初のお題。
ウニのトゲはぽこっと膨らんだ帽子の上にあり、動くことができます。
では、栗のトゲはどのようについているでしょうか?

・・・・

毎年食べる栗、幼いころから採っている栗。
あれこれ考えても全っっくわかりません!
みているようで、全く「観て」いないんだなぁと実感させられました。
そこでフツフツ沸いてくるのは観たい欲求!
その時に観た栗は今でも鮮明に覚えています。
先生が実物を持ってきていなければ、
間違いなく山に行ってまだ実っていない栗をもぎ取って観ていたことでしょう。
(気になる人は是非探しに行ってみてください♪)
インタープリターの与えるヒントによって、
普段眼にしているものの見えない部分を観る。
この一例だけをとってもインタープリターの役割が少し伝わったのではないでしょうか。

午前中はその他に、アイスブレイクや葉っぱじゃんけん、
葉脈がどうなっているかなど実践を交えながら
インタープリターの手法について学びました。


午後は宮島大元公園の干潟で生き物観察。
最初に海の生態系の一番下っちょにいるプランクトンの採取を行いました。
それをルーペや顕微鏡を使って観察しましたが、
肉眼でも確認することができました。
普段見ることも気にかけることもないプランクトンの存在ですが、
動物プランクトンが植物プランクトンを食べ、
貝やカニ、小魚が動物プランクトンを食べ、
大きな魚や鳥が貝やカニ、小魚を食べ、
そして私たち人間も貝やカニ、魚を食べる。
プランクトンがもしいなくなったら・・と考えるとぞっとします。
逆に増えすぎると赤潮になってしまう訳ですが、
そういったことを考えるきっかけを作るのがインタープリターの役割、
また環境教育の役割のように思います。

エコツアーや自然観察会を通して行われる
環境教育の目的がしばしば疑問視されていますが、
「観る」目を養い、自身で考える力を身につける。
そのお手伝いをするのが指導者の役割なのかもしれません。



アサリの海水浄化能力実験。
アサリの入った泥水は20分後きれいに浄化されました!


干潟で採取した生き物たち。
上からヨウジウオ(何を隠そう、タツノオトシゴも同じヨウジウオ科です!)
コメツキガニ(大人も甲羅が1cmくらいの豆ガニです)
アナジャコ(スナモグリやハサミシャコエビに比べて、鋏が小さい)
ハサミシャコエビ
(因みに7/10に掲載した写真もスナモグリではなく、ハサミシャコエビでした)


研修風景。
採取した動物プランクトンを顕微鏡で見ています。

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