2008年8月
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2008年08月28日眺望の山◎三平山
大山隠岐国立公園 米子 米田美里
こんにちは。暑い日が続いていましたが今週になってぐっと涼しくなりましたね。ここ1週間は出かけるときは毎回傘がお供になっています。みなさん季節の変わり目ですので、体調を崩さないように気をつけてくださいね!
さて、今回は大山隠岐国立公園の中にある三平山(みひらやま)の紹介をしたいと思います。この三平山は標高1010mと大山隠岐国立公園内の山の中では比較的低い山で、特別地域に指定されています。標高差は約300mで、およそ40分前後で山頂まで登れ、大山南壁の眺望が非常によい山です。近くにキャンプ場や三平山森林公園があり、子どもから大人まで気軽に楽しめるコースです。また、三平山からは先日紹介した朝鍋鷲ヶ山(あさなべわしがせん)、金ヶ谷山(かながたにやま)、白馬山(しろうまやま)そして毛無山(けなしがせん)へと続く縦走路もあるため、家族連れで軽登山をする人から本格的に登山を楽しむ人まで様々な人に利用されています。
三平山山頂には、登山口から緩やかなジグザグに進むマツ林に囲まれた登山道をしばらく登っていきます。すると樹木がほとんど無くなりカヤにまわりを囲まれた土塁を進むことに。この土塁は旧陸軍が蒜山高原で軍馬を養成していた頃に高原を囲うようにつくられたものだそうです。

◎三平山の土塁の様子
土塁を越え尾根伝いに登っていくと15分ほどで頂上に着きました。この日は非常に天気が良く暑かったため、日陰のない土塁はなかなかきつかったのですが、頂上からの景色は大山、烏ヶ山、蒜山三座、さらには日本海や弓ヶ浜半島まで見ることができ、とても贅沢な眺めでした。

◎三平山頂上
左奥が大山南壁、右奥に烏ヶ山。

◎三平山からの蒜山三座
手前(左)から上蒜山、中蒜山、下蒜山。
さて、今回は大山隠岐国立公園の中にある三平山(みひらやま)の紹介をしたいと思います。この三平山は標高1010mと大山隠岐国立公園内の山の中では比較的低い山で、特別地域に指定されています。標高差は約300mで、およそ40分前後で山頂まで登れ、大山南壁の眺望が非常によい山です。近くにキャンプ場や三平山森林公園があり、子どもから大人まで気軽に楽しめるコースです。また、三平山からは先日紹介した朝鍋鷲ヶ山(あさなべわしがせん)、金ヶ谷山(かながたにやま)、白馬山(しろうまやま)そして毛無山(けなしがせん)へと続く縦走路もあるため、家族連れで軽登山をする人から本格的に登山を楽しむ人まで様々な人に利用されています。
三平山山頂には、登山口から緩やかなジグザグに進むマツ林に囲まれた登山道をしばらく登っていきます。すると樹木がほとんど無くなりカヤにまわりを囲まれた土塁を進むことに。この土塁は旧陸軍が蒜山高原で軍馬を養成していた頃に高原を囲うようにつくられたものだそうです。
◎三平山の土塁の様子
土塁を越え尾根伝いに登っていくと15分ほどで頂上に着きました。この日は非常に天気が良く暑かったため、日陰のない土塁はなかなかきつかったのですが、頂上からの景色は大山、烏ヶ山、蒜山三座、さらには日本海や弓ヶ浜半島まで見ることができ、とても贅沢な眺めでした。
◎三平山頂上
左奥が大山南壁、右奥に烏ヶ山。
◎三平山からの蒜山三座
手前(左)から上蒜山、中蒜山、下蒜山。
2008年08月27日蝉時雨
瀬戸内海国立公園 松山 永田清美
先日から野外での調査が続きました。夏も終盤ですが、セミの声はまだまだ元気です。
事務所で毎日聞こえるのは、そばにある松山城の城山や、お堀の木々からの
「シャンシャン!」といったクマゼミの大音量の鳴き声が主です。
しかし、同じ県内でも場所によって合唱の主役は違っており、
少し山のほうへ行くと「ミーンミン」や「ツクツクボウシ」の声に包まれました。

ミンミンゼミ

ツクツクボウシ
セミ達は同じ種類のセミ同士で、違うセミとは鳴く時間帯や地中から出て
成虫になる時期まで、少しずつピークをずらしているという話を聞きました。
都市化や温暖化で生息域が変わったり、狭くなったりしても、パートナーを
見つけて子孫を残す工夫や努力がなされているんだなぁと感じました。
おしりをプルプル震わせて、一生懸命鳴くセミをじっくりと見たのは久しぶりです。
しっかり記憶して、環境省生物多様性センターが「いきものみっけ」http://www.mikke.go.jp/
で情報募集中の「いきものしらべ」にも発見地点を報告しました。
事務所で毎日聞こえるのは、そばにある松山城の城山や、お堀の木々からの
「シャンシャン!」といったクマゼミの大音量の鳴き声が主です。
しかし、同じ県内でも場所によって合唱の主役は違っており、
少し山のほうへ行くと「ミーンミン」や「ツクツクボウシ」の声に包まれました。

ミンミンゼミ

ツクツクボウシ
セミ達は同じ種類のセミ同士で、違うセミとは鳴く時間帯や地中から出て
成虫になる時期まで、少しずつピークをずらしているという話を聞きました。
都市化や温暖化で生息域が変わったり、狭くなったりしても、パートナーを
見つけて子孫を残す工夫や努力がなされているんだなぁと感じました。
おしりをプルプル震わせて、一生懸命鳴くセミをじっくりと見たのは久しぶりです。
しっかり記憶して、環境省生物多様性センターが「いきものみっけ」http://www.mikke.go.jp/
で情報募集中の「いきものしらべ」にも発見地点を報告しました。
2008年08月20日瀬戸内海の表情は その2
瀬戸内海国立公園 松山 永田清美
暑い日が続きますね。先週は、ペルセウス座流星群が今年の見頃を迎えました。
私が住む松山の町中からでも小一時間観察して、いくつか明るい流れ星を
見ることができました。曇りがちで、見られないところも多かったようですね。
雨が少ないせいか、夜の空気はからっと涼しいような気もします。
さて、お盆も終わり、学校の夏休みも後半となりましたが、
海や山へ出かけた方も多いのではないでしょうか。
内海としては広い瀬戸内海、その表情は場所や時間によってさまざまです。
瀬戸内海では干満の差が最大2m以上と奥にいくほど大きく水位が変動する
ため、潮流や潮の満ち引きを見ると海のダイナミックな動きを実感します。

写真左:河原津海岸の満潮時
写真右:河原津海岸の干潮時(遠浅の干潟が出現)
西条市北部にある河原津海岸は、大潮の干潮時には遠浅の300mほどの
干潟が現れますが、ここは干拓地にならずに残った広大な干潟の一部であり、
南側の高須のあたりにも一部干潟が残っています。広い干潟が残っていた
数十年前までは、今ではこのあたりでほとんど見られなくなってしまった
カブトガニが、「蹴つるほど」ごろごろいたそうです。

写真:魚の餌にと「ユムシ」を探す人。
潮がひいたときに現れる干潟は貝類やカニ類などたくさんの生物が
棲んでいるところ、鳥が餌や休息の場として集まるところであり、
人が潮干狩りや遊び場として楽しむ親水空間でもあります。

写真:高須海岸 せっせと砂団子をつくる(餌を食べる)コメツキガニ
干潟に空くたくさんの穴には貝やカニ、アナジャコなどが潜んでいて、
じっくり観察しているとせっせと動くカニや餌を狙う鳥など、干潟はとても賑やか。
向こうのペースにあわせて静かにじっくり眺めるという観察のポイントは、
流れ星ともおなじですね。
私が住む松山の町中からでも小一時間観察して、いくつか明るい流れ星を
見ることができました。曇りがちで、見られないところも多かったようですね。
雨が少ないせいか、夜の空気はからっと涼しいような気もします。
さて、お盆も終わり、学校の夏休みも後半となりましたが、
海や山へ出かけた方も多いのではないでしょうか。
内海としては広い瀬戸内海、その表情は場所や時間によってさまざまです。
瀬戸内海では干満の差が最大2m以上と奥にいくほど大きく水位が変動する
ため、潮流や潮の満ち引きを見ると海のダイナミックな動きを実感します。
写真左:河原津海岸の満潮時
写真右:河原津海岸の干潮時(遠浅の干潟が出現)
西条市北部にある河原津海岸は、大潮の干潮時には遠浅の300mほどの
干潟が現れますが、ここは干拓地にならずに残った広大な干潟の一部であり、
南側の高須のあたりにも一部干潟が残っています。広い干潟が残っていた
数十年前までは、今ではこのあたりでほとんど見られなくなってしまった
カブトガニが、「蹴つるほど」ごろごろいたそうです。

写真:魚の餌にと「ユムシ」を探す人。
潮がひいたときに現れる干潟は貝類やカニ類などたくさんの生物が
棲んでいるところ、鳥が餌や休息の場として集まるところであり、
人が潮干狩りや遊び場として楽しむ親水空間でもあります。
写真:高須海岸 せっせと砂団子をつくる(餌を食べる)コメツキガニ
干潟に空くたくさんの穴には貝やカニ、アナジャコなどが潜んでいて、
じっくり観察しているとせっせと動くカニや餌を狙う鳥など、干潟はとても賑やか。
向こうのペースにあわせて静かにじっくり眺めるという観察のポイントは、
流れ星ともおなじですね。
2008年08月19日◆ブナの森観察会と木工教室◆
大山隠岐国立公園 米子 米田美里
こんにちは!毎日暑い日が続いてますね。大山でも今年登山中に熱中症、脱水症状になった人が数人いました。皆さん運動中はこまめに水分をとるなど十分に注意してくださいね。
さて、大山といえば西日本最大級のブナの原生林のある場所として知られています。そんな大山の自然に実際に触れてもらおうと、(財)自然公園財団とペンションわくわく村と共催で『大山ブナの森観察会&木工教室』と題して8月の8日と18日に自然観察会を行いました。今回はそのときの様子を紹介したいと思います!
今回の観察会は野営場内に設置された、間近にブナの樹を見て触ることができるバリアフリーの学習歩道を使って行いました。緑あふれる木道でチョウを見たり、鳥の声に耳をすませたり…。実際にブナの葉に触ったり、良い匂いの樹木、苔の生えている樹木などを探すフィールドビンゴをしたりしました。

◎ブナについて勉強中…
観察会の後は、野営場の倒木処理の際に出たブナを使った木工教室を行いました。内容は、ネックレス、キーホルダーとストラップを作成。小さな子も大人の手を借りながら自分でのこぎりを使って作成しました。切ったブナの断面を見てその白さに驚く人も。世界に一つだけ、自分だけのオリジナルを作成するのにみんな真剣でした!

◎ギコギコギコギコ…。枝を切るのも一苦労!でもみんな楽しそうでした☆

◎ビーズを使ってネックレスに飾りをつけました!色合いにも個性があって面白いですね。
この観察会と木工教室ですが、26日に第三回目、最終回が行われます。当日参加もできるので、夏休みの最後の思い出作りに参加してみてはいかがでしょうか?
*お問い合わせ・申し込みは以下まで
自然公園財団鳥取支部大山支所
TEL 0859-52-2165
さて、大山といえば西日本最大級のブナの原生林のある場所として知られています。そんな大山の自然に実際に触れてもらおうと、(財)自然公園財団とペンションわくわく村と共催で『大山ブナの森観察会&木工教室』と題して8月の8日と18日に自然観察会を行いました。今回はそのときの様子を紹介したいと思います!
今回の観察会は野営場内に設置された、間近にブナの樹を見て触ることができるバリアフリーの学習歩道を使って行いました。緑あふれる木道でチョウを見たり、鳥の声に耳をすませたり…。実際にブナの葉に触ったり、良い匂いの樹木、苔の生えている樹木などを探すフィールドビンゴをしたりしました。
◎ブナについて勉強中…
観察会の後は、野営場の倒木処理の際に出たブナを使った木工教室を行いました。内容は、ネックレス、キーホルダーとストラップを作成。小さな子も大人の手を借りながら自分でのこぎりを使って作成しました。切ったブナの断面を見てその白さに驚く人も。世界に一つだけ、自分だけのオリジナルを作成するのにみんな真剣でした!
◎ギコギコギコギコ…。枝を切るのも一苦労!でもみんな楽しそうでした☆
◎ビーズを使ってネックレスに飾りをつけました!色合いにも個性があって面白いですね。
この観察会と木工教室ですが、26日に第三回目、最終回が行われます。当日参加もできるので、夏休みの最後の思い出作りに参加してみてはいかがでしょうか?
*お問い合わせ・申し込みは以下まで
自然公園財団鳥取支部大山支所
TEL 0859-52-2165
2008年08月06日天空の楽園―大山ユートピア―
大山隠岐国立公園 米子 米田美里
こんにちは。セミの鳴き声が響く暑い季節がとうとうやってきました!山陰でも30度を超える日々が続いています。さて、今回は大山の三鈷峰の近くにあるユートピアの様子を紹介したいと思います。この時期のユートピアは頂上のお花畑が満開になるため大変人気があります。
今回紹介するユートピアまでの道のりは大山の一般的な登山道である夏山登山道にくらべて上級者向けであるといわれています。大神山神社の裏側にある登山道から下宝珠越、中宝珠越、上宝珠越と行くルートです。大神山神社から下宝珠越までの道のりは急斜面の谷を登っていきます。下宝珠越を過ぎるとしばらく平坦な道が続き、登山道のまわりに咲いた花が疲れを癒してくれます。

◎登山道で見ることのできる花々
(左上:ヤマジノホトトギス、右上:ソバナ、左下:ホソバノヤマハハコ、右下:ホツツジ)
中宝珠越を過ぎるといよいよ難関が・・・。片側の崩落した細い道を岩壁に張り付くように慎重に進みます。ここは2000年の鳥取西部地震で崩壊の進んだ箇所で、大変危険な箇所です。大山の荒々しい北壁を間近に見つつ気合いを入れて登っていくと、やっと上宝珠越へ。「あー、怖かった!」とほっと一息つきつつユートピアのお花畑に向かってラストスパートをかけました。

◎中宝珠越から上宝珠越の難所と大山北壁
上宝珠越から約30分進むと、いよいよ花の咲き乱れるユートピアです。ユートピア避難小屋に近づくとナンゴククガイソウの紫色とシモツケソウのピンク色が絨毯のように広がっていました!この日は頂上にガスがかかっていましたが、それでも辺り一面に広がるお花畑の景色はまさしくユートピアでした。

◎お花畑の様子
今回紹介するユートピアまでの道のりは大山の一般的な登山道である夏山登山道にくらべて上級者向けであるといわれています。大神山神社の裏側にある登山道から下宝珠越、中宝珠越、上宝珠越と行くルートです。大神山神社から下宝珠越までの道のりは急斜面の谷を登っていきます。下宝珠越を過ぎるとしばらく平坦な道が続き、登山道のまわりに咲いた花が疲れを癒してくれます。
◎登山道で見ることのできる花々
(左上:ヤマジノホトトギス、右上:ソバナ、左下:ホソバノヤマハハコ、右下:ホツツジ)
中宝珠越を過ぎるといよいよ難関が・・・。片側の崩落した細い道を岩壁に張り付くように慎重に進みます。ここは2000年の鳥取西部地震で崩壊の進んだ箇所で、大変危険な箇所です。大山の荒々しい北壁を間近に見つつ気合いを入れて登っていくと、やっと上宝珠越へ。「あー、怖かった!」とほっと一息つきつつユートピアのお花畑に向かってラストスパートをかけました。
◎中宝珠越から上宝珠越の難所と大山北壁
上宝珠越から約30分進むと、いよいよ花の咲き乱れるユートピアです。ユートピア避難小屋に近づくとナンゴククガイソウの紫色とシモツケソウのピンク色が絨毯のように広がっていました!この日は頂上にガスがかかっていましたが、それでも辺り一面に広がるお花畑の景色はまさしくユートピアでした。
◎お花畑の様子


ひとしきり雷がなりひびき、土砂降りになりましたが、出勤の頃には
小雨になっていました。松山では雨の少なかったこの夏。
恵みの雨とはいえ、全国的にも局所的な豪雨が多く、本当にこわいですね。
さて、先日、事務所宛に1通のお便りが届きました。
開けてみると、先月の観察会の様子が描かれたとってもすてきな絵日記や作文、
お手紙が入っており、参加してくれた男の子からのものでした。
御礼の連絡をしたところ、お母様のお話しによると、
「とても楽しかったみたいで、宿題の作文も絵日記もすぐに終わりました」
とのこと。見せてあげたいと言うので、送って下さったそうです。
読ませていただくと、たくさんの生き物と出会えたことや、
当日手伝ってくれた大学生のお兄ちゃんたちと遊んだことがとても楽しく、
自然が大好きになった、というような内容のお手紙や日記を書いてくれていました。
じーん…。とても心温まるうれしい出来事でした。
8月ももう終わり。学校の夏休みも終わりに近づきましたね。
楽しい夏の思い出、できましたか?
写真:今治市 近見山から。
夏らしい空と来島海峡の青、山の緑に囲まれた今治市街