中国四国地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。
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アクティブ・レンジャーとは、自然保護官の補佐役として、国立公園等のパトロール、調査、利用者指導、自然解説などの業務を担う環境省の職員です。管内には、瀬戸内海、大山隠岐、足摺宇和海国立公園があります。
日に日に気温も上がり蒸し蒸しした気候が続きます。
さて先日、休暇村瀬戸内東予が主催する今治歴史ウォーキング
「芸予要塞の島を訪れて」が行われました。瀬戸内海の愛媛県北部に位置する
芸予諸島(げいよしょとう)。それぞれユニークな3島・来島(くるしま)、
小島(おしま)、馬島(うましま)を巡り、ボランティアガイドさんが島の
歴史のエピソードをじっくり紹介してくれた魅力満点のウォーキングでした。
来島(中央)の概観(2007年4月撮影)
来島は中世に瀬戸内海で活躍した水軍(海賊衆)来島村上氏(能島村上、因島村上
とともに村上水軍の3家のひとつ)が来島海峡の急な潮流を利用して天然の要塞として
本拠地を築いた島です。
全島が城跡であり、島のそこかしこに先人の軌跡が見られるこの周囲1kmの小さな島では、
今も人の暮らしが営まれています。
お城は残っていませんが、城の石垣跡や、水軍船をつなぎとめておくために岩礁に
穴をあけた跡(岩礁ピット(柱穴)跡)、島の守護神として創建されたといわれる神社
などなど、ぎゅぎゅっと当時の歴史が残っています。
特別に観光地化はされていないため、解説を聞かなければ見過ごしてしまうような
ポイントがたくさんありました。
(左上)来島城の石垣
(右上)来島の北部に残る無数の岩礁ピットのあと。
(左下)八千矛神社 社は海側を向いて建っているため鳥居の方向から見えない
(右下)神社には「折敷に縮三」という神紋が刻まれている。
逆さから見ると当地の水軍家の家紋になるそう。
3島間は小さな渡船で渡り、馬島からは対岸の今治市まで来島海峡大橋をウォーキング。
橋へは橋台の中に設置されたエレベーターでのぼります。
ここは高速道路のインターチェンジですが、歩行者や自転車・原付以外の一般の
車両は降りられません。島嶼部へ行くときにはよく利用する橋ですが、
下から見上げるとまた大きいんです、これが。
来島(来島水軍・戦国時代)→小島(芸予要塞・明治時代)→馬島(来島海峡大橋)
を巡り、戦国時代から現代までいろいろな歴史をかいま見られた一日でした。
ウォーキングでも一番時間を割いた小島については、また改めてご紹介したいと思います。