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【地区便り】大久野島ビジターセンター便り vol.39
2009.05.31 広島事務所
気温が25度を超える日が多くなり、初夏を感じるようになりました。太陽の光を浴びてグングンと伸びていく芝生を、お腹をすかせたアナウサギたちが毎日せっせと食べています。
島では只今春に産まれた子ウサギたちの姿をあちこちで見かけることができます。ビジターセンター周辺でもたくさんの子ウサギたちが育ち、元気いっぱいに芝生を走り回っています。特に来島者の少ない静かな日には、子ウサギたちのかわいらしい姿をはじめ、野生化したアナウサギの行動をじっくりと観察することができますよ!
今回は、大久野島で野生化して暮らしているウサギたちのいろいろなしぐさをみなさんにご紹介いたします。
野生化したウサギたち
【芝生を食べるアナウサギ】
・するどい前歯で植物を引きちぎります
【植物の育たない冬場の様子】
・人の気配がするとかけよってきます
島のいたるところで暮らしているとのできるウサギたちは、1971年に小学校で飼いきれなくなった8羽のアナウサギ(カイウサギ)を放したのがきっかけといわれています。現在では約200羽が、野生化して暮らしています。(2009.5月現在 天敵などにより数は増減しています)
【ウサギ同士のあいさつ】
・鼻を突き合わせてあいさつをします、
気に入らないと縄張りから排除します
【仲のよいメス同士(左の2羽は親子)】
・ビジターセンター裏の親子同士は
とても仲良しでいつも一緒です
一見おとなしそうに見えるアナウサギですが、オス同士の縄張り争いはとても激しく、時には噛みついて相手を傷つけ、縄張りから排除します。
一方で、気の合うメス同士(特にメスの親子同士)は大変仲がよく、いつも一緒に行動し て縄張りを変えることなく過ごしています。
(2009.5.25 撮影) ・愛らしい姿で出迎えてくれます
【お乳をねだる子ウサギ】
(2009.5.25 撮影) ・離乳していますが、まだまだ甘えん坊です
(2009.5.27 撮影)・お父さんに甘えています
【元気いっぱいの子ウサギ】
(2009.5.27 撮影) ・兄弟でも性格や形質は様々です
アナウサギは、季節にかかわらず一年中交尾や出産ができます。妊娠期間は約1ヵ月で出産した後に交尾すれば続けて繁殖することができます。
最大で年に6回、1回の出産で4~8匹の子ウサギを産み、生まれた子ウサギは早くて 生後約4ヵ月で繁殖できるようになります。
ちいさなビオトープ
みなさんは、「ビオトープ」という言葉をご存知ですか?ドイツ語の「bio(生命,生き物)」と「top(場所)」を組み合わせた合成語で、「本来その地域に住む様々な野生の生物が生きることの出来る空間」を意味する言葉として使われています。
大久野島ビジターセンターでは、正面玄関入り口に小さなビオトープを設置しました。島の貯水池(現在立ち入り禁止区間です)に生息するメダカを、みなさんに観察していただくために屋外で飼育するとともに、ビオトープにどんな生き物が集まってくるか見守っていきたいと思います。
島にお越しの際には、是非覗いてみてくださいね!
(2009.5.30 撮影) ・メダカたちをおどかさないよう、
そっと覗いてね!
【貯水池に生息するメダカ】
・島の貯水池に生息しているメダカです。
池の中には、この他にヤゴなどの
水生昆虫がたくさん棲んでいます。
- 大久野島ビジターセンター便り vol.39 H21.5.31 発行
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発行・編集:大久野島ビジターセンター
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開館:9:00~16:00 休館日:水曜日(1-2 月は水・木)
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