ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]

中国四国地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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2011年1月

7件の記事があります。

2011年01月25日笠松山・世田山 遊歩道(今治市、西条市)

瀬戸内海国立公園 松山 永田清美

暑い暑い、と言っていた夏から一転、寒い日が続きますね。
愛媛の管内でも、近年は年に一度くらい、山間部に積雪し、車が通れない!
なんてことはありましたが、今年は12月から早くもそんな状況です。

さて、2008年8月に山林火災に見舞われた今治市の笠松山。
火災後、定点観測調査で山容は記録していたものの、
なかなか遊歩道を歩く機会がありませんでしたが、
この度久しぶりに現地調査で訪れました。

世田山・笠松山の縦走路は300m強の山が並んだ、ちょっと運動・散策、には
もってこいの遊歩道で、今回歩いていると平日でも何人もの方と
すれ違いました。


日陰には先週末の寒波の雪がうっすら。


世田山からの眺め、なかなかの絶景!
瀬戸内海や雪化粧した石鎚山系、西条、今治の町や田畑が一望できます。


笠松山に入ると、まだまだ火災の跡が色濃く残ります。


焼け残った緑と、焼け跡がパッチ状に並んでいます。


笠松山山頂部の緑化事業の様子。
白いネットの下には種や肥料が施され、緑の回復を図っているところ
だそうです。

寒い!日でしたが、歩いているうち、体はホカホカに。
冬の低山は空気が澄んでいて見通しはいいし、なかなかいいものです。
しかし、笠松山の山頂付近の火災跡は、木々がなくなってしまって
見通しはいいのですが、風はまともに浴びるし・・・
木々が「ある」環境と、「ない」環境というのは、
人が感じる以上に、本当に大きな環境変化なんだろうなぁと思いました。

次回の3月初旬予定の主催行事では、この笠松山・世田山の遊歩道を散策する予定です。
抜群の眺めや火災跡の植物たちの様子の観察も見所ですが、
周囲にはいろいろと歴史的なスポットも。
また日記上でご紹介していきたいと思います。


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2011年01月24日第7回環境学習「~人と人~ 竜串のお仕事インタビュー」

足摺宇和海国立公園 土佐清水 新堀麻子

1月24日、三崎小学校での環境学習として「~人と人~ 竜串のお仕事インタビュー」をテーマに行いました。

観光地である竜串には、海に関連した様々な仕事があります。
今回はその竜串で働く方々にインタビューを行い、その現場を学びました。
数ある施設や仕事の中から、選んだインタビュー先は下記の4箇所。
・竜串観光案内所(観光ボランティア)
・海のギャラリー(土佐清水市立貝類展示館)(http://www.city.tosashimizu.kochi.jp/uij/doc/kankou/04.html)
・竜串ダイビングセンター(http://www.tdc2001.com/)
・味彩の宿 南国(http://www5.ocn.ne.jp/~nangoku/index.html)
 ※インタビューにご協力くださった皆様、ありがとうございました。

お昼休み中に学校から竜串へ自転車で移動し、2~3名のグループに分かれて各自選んだインタビュー先へ。
事前に考え用意していた質問10~15問を基にインタビューをしていきました。

竜串観光案内所にて

海のギャラリーにて

竜串ダイビングセンターにて

味彩の宿 南国にて

「いつ頃から始めたのか?」「何人くらいのお客さんが来るのか?」・・・
といった情報を聞き取ったり、
「なぜこの仕事を選んだのか?」「うれしいことや困ったことは?」・・・
など感じたり、考えてこられたことを聞き出す質問もありました。
展示品や道具など仕事で扱っているものも見たり触らせていただいたりしました。

ダイビングの疑似体験
ボンベを背負わせていただきました。

様々な仕事がある中、竜串ではどんな仕事があるのかを知り、
いったいどんなことが仕事になるのか、
また漠然とでも自分はどんな仕事に就きたいのかを考えるきっかけにしてほしいものですね。

子どもたちの中には、この環境学習を通して竜串に関わる仕事、海や生きものに関係する仕事にたずさわってみたいとすでに感じている子もいるようでした。

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2011年01月21日〈篠山〉大寒波で雪景色

足摺宇和海国立公園 土佐清水 新堀麻子

1月中旬に全国的な大寒波ありましたが、その影響は南国高知にも及び、土佐清水でも積雪がありました。
天気の良い日が続きすぐに雪はとけていつもの風景に戻りましたが、山の上はうっすらと雪化粧。

春にアケボノツツジの咲く篠山へ雪の影響や冬の様子を見に行ってきました。
(他季節の篠山の様子 
春 http://c-chushikoku.env.go.jp/blog/2010/05/06/index.html
夏 http://c-chushikoku.env.go.jp/blog/2010/07/22/index.html
秋 http://c-chushikoku.env.go.jp/blog/2010/10/15/index.html

町中にはほとんど雪はありませんが、篠山に近づくにつれ道路にも雪が出てきました。

篠山山頂からの眺め、雪化粧

天気予報は晴れだったにも関わらず、登り始めにチラチラと雪が舞っていました。それほど寒くはなく、長靴を履いて山頂を目指します。
降雪後、人が登った形跡はなく、あるのは森の住民たちの足跡でした。

雪で動物の足跡が見つけやすい

高知県側から登り始め、風もなくしんと静まりかえる中進んで行くと、葉っぱに積もった雪で大きく腰を曲げた木々があちらこちらで歩道を通せんぼ。
照葉樹林帯は冬も葉がついたままで、雪仕様になっていないことがよく分かります。

歩道の階段もすっかり雪の中

防鹿柵もくったり・・・

深いところでは、50cm強の積雪。
膝上までズボズボと埋まりながら進み、高知と愛媛の県境となる山頂付近へ。

雪も吹っ飛んでしまうほどの強風

今までの穏やかな空気とは打って変わって、愛媛側からの猛烈な風。
山頂では、雪は吹き飛び地面が露出していました。

アケボノツツジの冬芽は、まだまだ小さく固いです。
今春の開花は表となるでしょうか。
今後の気候が気になります。

幾度と訪れている篠山ですが、冬の積雪時に訪れたのは今回が初めて。
今まで行ったことのない場所を訪れているような新鮮な感覚があり、雪のお化粧にマジックをかけられた巡視でした。

※篠山第1駐車場へは車で行くことができますが、冬はスタッドレスタイヤの着用必須です。

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2011年01月18日『飾り羽子板をつくろう』

瀬戸内海国立公園 高松 大林めぐみ

先週末は本当に寒かったですね。。。
香川県でも最低気温が零下3℃を記録しました。。。

さて、そんな大寒波が来る1週間前にクラフト教室を開きました。
今回は『飾り羽子板』づくり。
今年の干支『卯(うさぎ)』をモチーフに、ちりめんを使って作ります。

ウサギはここ五色台でも見られる野生動物のひとつ。
他にもイノシシやタヌキ、イタチなどを見ることができます。
ただし、イノシシに体当たりされると一溜まりもないので、もし出会ってしまったら慌てずゆっくり後退して、とインタープリターから説明。


最近よくニュースにもなったイノシシ。
しっかり注意事項を聞いていました。

さて、お待ちかねの羽子板づくり。
今回の講師は、香川県レクリエーション協会から新池レイ子さんが来てくれました。
ちりめんを切る・貼るの手順を一通りレクチャー受けたら、さぁ始めましょう!!
先生がベースキットをあらかじめ作ってくれたので、作業も進めやすい。


キット中身を確認して

まずは羽子板形のベニヤ板にちりめんを貼っていきます。
ボンドがくっつきにくい場合は、アイロンを使って安定させます。
その時、ちりめんが焦げないように注意して。



厚紙や綿を挟んだちりめんは少し固くて、なかなかはさみが入りません。
ちょっと小さな子どもには大変だったかも。
それでも完成に向けて、スタッフが切りやすいはさみの使い方を教えながら進めていく子や、インタープリターと分業して一緒に作業を進める子、どちらも頑張っていましたよ。
少し出来ないくらいで親に任せてしまうと何にでも甘えが出てしまうし、完成しても達成感がないですしね。

さて、そうこうしている内に少しずつ形が見えてきました。
一番早かったのは、スタッフに教えてもらいながら作業していた子。
出来上がった時はすごく嬉しそうでした。

もう少し!

着々と完成していきます。
なんだかんだで、子ども達が一番早く進んでいたかも。


左;ウサギ 中;キット 右;牛

ウサギの他に一昨年の牛も参考に持ってきてくれました。
最初から作ると倍時間がかかりますが、キットからなら2時間で仕上がります。

出来た人から後片付けをしていると、なんだかイイ匂いが。。。

ぜんざ~い☆ 大鍋です

ぜんざいは、パークボランティアの好井さんが朝から作って持って来てくれました。
他の行事に持って行くのもあり、計;小豆1升、砂糖約3㎏使ったんだそう!
この心遣いには、参加者も「作りに来て、さらにお接待受けるなんて!」とすごく喜んでいました。
本当、美味しかった♪ ありがとうございます!!

この後リピーター参加者は、ヤシャブシと松ぼっくりを拾いに行っていました。
来月のクラフト教室を広報すると、「これやりたかった!」と言ってくれ、
「じゃあ、来月も来よう!」と。

*****その2月のクラフト教室*****
『どんぐりアートに挑戦!』
どんぐりや松ぼっくりなど木の実を使って、オブジェを作ります。
日 時;2月13日(日)13:00~15:00
場 所;五色台ビジターセンター・ボランティアルーム
参加費;300円
まだまだ寒いので、暖かい服装でお越し下さい

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2011年01月13日陸路コースで見残し海岸へ

足摺宇和海国立公園 土佐清水 新堀麻子

竜串の見残し海岸は千尋岬の先端部に位置し、グラスボートで竜串湾内の海中見学した後、着岸し見残し海岸を散策するというのが一般的です。
しかし、あまり知られてはいませんが、見残しへは陸路にても行くことができるのです。

駐車場の地図看板

駐車場もあり、四国のみちになっている散策道は整備され、とても歩きやすくなっていました。木々が成長し、なかなか海を見ながら…というわけにはいきませんが、
足元にはどんぐりがたくさんありました。
進むにつれ、林の様子は変わっていきますが、
その変化を楽しみながら散策するのもよいものですね。

林内の歩道「四国のみち」

駐車場から約1km強散策していくと見残し海岸の展望所に出てきます。
竜串を海側から一望。湾になっているのがよくわかります。
三崎小学校の環境学習で行っている間伐地の今ノ山も行者山も海底館もよく見えました。

千尋岬の展望所より竜串湾


展望所までの道のりには、表示のない分岐がいくつもありました。
釣り人がせっせと大物狙いで通っている道でしょうか。
千尋岬の先端には視界を邪魔するものひとつない大海原が広がっていることでしょう。
今回はまさに「見残し」たので、今度時間のあるときにたどってみたいと思います。

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2011年01月12日利用者カウンターの集計結果、でました!・・・しかし

瀬戸内海国立公園 高松 大林めぐみ

遅くなりましたが、
明けましておめでとうございます。
本年も宜しくお願いします!

さて、新年最初の現地調査は、屋島北嶺に設置したカウンターCF(カウントした数値を記録してくれる媒体)を回収しに行くことでした。

●設置のようす(2010年12月10日)↓↓
http://c-chushikoku.env.go.jp/blog/2010/12/748.html

南嶺駐車場から歩くこと15分。
着いた。と思ったのも束の間。
「ん?何か太陽光の向きが変。。。」
と、裏側へ回ると・・・
太陽光パネルと支柱をつなぐスチール管が思いっきり歪んでいる!!
もう1基の利用者カウンターと見比べても、違いは一目瞭然。

大型車両が通行する時、当たって曲がった・・・?
それは実証済みだし、太陽光正面に接触傷はないし、
年末年始の強風?それにしても周りに木々の枝は大丈夫そう・・・
まさか、イタズラ・・・???
元に戻せるかなぁと思い、スチール管を曲げようにも全く動きません。。


左;2010年11月30日設置時  右;2011年1月11日巡視時
左側のカウンター、あきらかに向きが変わってます。。


左;正常な形     右;歪んだ太陽光パネル裏

設置して直ぐのことだったのでショック。。。
そんな気持ちのまま事務所に戻り、いざ集計してみると
12月で約850人の方が利用していることが分かりました!
看板補修の時、「今日で何人くらい来た?」
といつも気にかけてくれた利用者さん、集計結果出ましたよ~。
予想より多くの人が利用していた結果に、落ちていた気持ちもアガります♪

しかし、二度とこのような機器の破損が起きないようにするには、いつも利用している皆さまにも御協力を求めずにはいられません。
もし、カウンターを揺すったり、取り外そうとしている人を見かけた場合、またなんかおかしいぞ?と感じた場合、高松事務所までご連絡頂ければ幸いです。

●●●●●環境省中国四国地方環境事務所高松事務所●●●●●
担 当;自然保護官もしくは自然保護官補佐まで
電 話;087-811-6227
※カウンター本機にも連絡先を貼っています。

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2011年01月07日イソギンチャクのようなサンゴ

瀬戸内海国立公園 広島 大髙下理恵

新年あけましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
場所によっては、かなり積雪の多いお正月だったようですが、
お住まいの地域はいかがでしたでしょうか。

さて、昨年11月の日記にニホンアワサンゴについてご紹介しましたが、
http://c-chushikoku.env.go.jp/blog/2010/11/743.html
一体どんなサンゴなの?と思われた方もいらっしゃるかと思います。
ダイビングで潜るため、私もまだ海中のニホンアワサンゴを見たことはありませんが、
周防大島町なぎさ水族館で飼育している
ニホンアワサンゴを見ることができました!
初めて訪れた時は触手が骨格の中に収まっていましたが、
先日撮影に成功。
骨格が見えるとサンゴなんだな~と思うのですが、
触手はまるでイソギンチャク。
触手の先も1cm程度と小さく、
中心がみどり色をした紅い花弁のようでした。
一つの塊自体も10㎝程度と小さいので
これが数百平方メートルにわたって群落をなしているとなると、
かなりの個体数になるのではないかと思います。


[触手が収まった様子]

[触手が出てきた様子]

[クローズアップ]

今の時期が海の透明度が高く、よく見えるということですが、
この寒さの中、海に入る勇気もなく・・・
今年は是非とも海中に漂っているニホンアワサンゴ群落を間近に見たいと思います。

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