ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]

中国四国地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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2009年1月

4件の記事があります。

2009年01月29日大山冬の観察会下見

大山隠岐国立公園 米子 米田美里

こんにちは。
はやいものでもう1月下旬。遅くなりましたが、今年もどうぞよろしくお願いいたします。
1月は週末ごとに雪が降っていた鳥取ですが、
ここ数日は凍結がひどく、朝は道路がスケートリンクのようになっています。

さて、大山では冬でも自然観察会などのイベントがさまざまなところで行われます。
米子自然環境事務所でも大山と鏡ヶ成の2ヶ所で冬の観察会を計画しています。
今回は3月に大山の寂静山(じゃくじょうざん)で実施予定の
冬の自然観察会の下見の様子についてご紹介したいと思います!
寂静山は大山寺の近くに位置する、大山寺の開基である金蓮上人が寂静されたという伝説のある山です。
今回の観察会はその寂静山周辺の動植物をスノーシューをはいて観察しよう!というものです。
豪円山野営場の駐車場でスノーシューを装着していざ寂静山へ!
雪の白さで目が痛くなるほどの太陽の下、誰も歩いた形跡のない治山道路を進みました。

やはり春や夏などとは違い、冬は雪のため景色が一気に変わります。
1m以上積もった雪で道標などの確認が難しい状況のなか、
道を間違えないよう注意しつつ進みました。


◎鏡部分がやっと見えるところまで雪に埋まったミラー

観察会で紹介する植物の冬芽や動物の足跡などを確認しながら、約1時間半かけてコースを周り、ゴール地点である大山情報館に到着しました。
当日は今回歩いたコースを講師の方々の自然解説を聞きながら進みます。
限られた時間のなかで参加者の皆様に満足していただくことのできるように準備を進めていきたいと思います。


◎雪の上に残った動物の足跡


◎雪の覆われた大神山神社奥宮参道


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2009年01月26日空中散歩 -上島町・岩城島-

瀬戸内海国立公園 松山 永田清美

 温暖な愛媛も雪のちらつく週末でした。大寒も過ぎ、一番寒い季節です。
さて前回の日記に続き、瀬戸内海の中央部・愛媛県上島町の島のご紹介。
今回は岩城島(いわぎじま)です。
 
 上島町・岩城島は「青いレモンの島」と呼ばれるレモンの産地であり、
かんきつ類の栽培が盛んです。島の中央にある積善山(せきぜんやま)は
桜の名所として知られていますが、頂上からは360度多島海の景観が楽しめる
ほか、山腹にはパラグライダーの離陸ポイントがあり、空からの景観を楽しめる
ポイントとしても多くのファンを集めているとか。
いつか私も挑戦してみたい…!


パラグライダーの離陸ポイントより。パノラマの景色が広がっています。
(写真をクリックすると拡大画像が表示されます)

 岩城、弓削、生名島は瀬戸内海の中央部に位置していますが、周囲は島が
ひしめきあうように隣接していて、山頂から見渡してみると「離島」
という印象をあまり受けません。

 また、積善山には頂上の展望所まで行ける車道のほか、遊歩道が整備され、
ゆっくり散策を楽しむこともできます。



こちらは「空中階段」との、素敵な名称がついています。
遊歩道や展望台からの眺めは抜群。パラグライダーで飛び出すことは
できなくても、十分に、多島海を見おろす鳥の気分を味わえるかも?

 ところで、瀬戸内の島では、これまで山火事が多々発生しているようですが、
この岩城島の積善山も被害があり、数年たった今でも、
所々でその焼け跡が見られます。焼け跡地は、アカマツやツツジなどの
低木や草本などが覆い、ゆっくりと緑が増えつつあるようです。
野鳥もたくさん見られる山林。豊かな植生が育ってほしいと思います。

焦げた跡が残る樹木
(写真は全て、平成21年1月16日撮影)

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上島町 岩城島、弓削島、生名島の紹介(過去の日記)
◇2009年 1月23日 巨石がたたずむ -上島町・生名島-

◆2009年1月17日 白砂青松の海岸 -上島町・弓削島-

◇2007年 4月 5日 花だより -上島町岩城島-

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2009年01月23日巨石がたたずむ -上島町・生名島-

瀬戸内海国立公園 松山 永田清美

 こんにちは、松山のARです。前回の弓削島に続き、愛媛県の最北、
上島町の島・生名島(いきなじま)をご紹介したいと思います。
 
 さて、生名島の北部に位置する立石山には弥生時代から残るとされる巨石が
たくさんあり、町の文化財に指定されています。
山の東側のふもとには「メンヒル(巨石記念物)」と呼ばれる高さ7mほどの
巨石があり、弥生時代の祭祀の対象とした巨石文化の遺物と考えられています。

「メンヒル」と呼ばれる巨石

 また、標高139mの立石山山頂の展望地の奥には、折り重なるように
配置された巨石群があり、周辺からは弥生時代の石器や土器片も多数
発掘されていることなどから、こちらも弥生時代の祭祀と軍事的防塞の
複合遺跡と考えられています。

立石山山頂の巨石群

 お隣の岩城島・積善山や、今治市の伯方島・宝股山頂上部にも信仰対象と
されてきた巨石が残っています。よく信仰対象となる大きな樹木や石などの
自然物。いろいろな時代を超え、悠久の時をじっと過ごしてきたんであろう
相手に対面すると、畏敬の念を抱かずにはいられません。
弥生時代の人も同じような気持ちを抱いたのでしょうか。


立石山山頂からの眺望
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上島町は平成16年に、魚島村・生名村・岩城村・弓削町の離島同士の
4ヶ町村が合併した町で、瀬戸内海のほぼ真ん中に位置し、
大小様々な島からなっています。
現在、上島町の島々へは他のところから架橋がなく、本州・四国側からは
船を利用してアクセスすることになります。

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2009年01月13日白砂青松の海岸 -上島町・弓削島-

瀬戸内海国立公園 松山 永田清美

 こんにちは、松山のアクティブレンジャーです。新年を迎えて、早くも半月が
過ぎようとしています。遅くなりましたが、本年もどうぞよろしくお願いいたします。

 さて、この日記もしかり、国立公園内の写真は、業務のいろいろなところで
必要になるので、現地に行ったときには、できるだけいろいろな角度から
たくさん写真を撮っています。しかし「ここの、こういう風に写っている写真」
を探すと、なかなか目的のものが写っていなかったりします。
先日は、とある海岸の写真が必要となり、巡視も兼ねて広島県との県境近く、
上島町の弓削(ゆげ)島、生名(いきな)島に行ってきました。

 ところでみなさんは「白砂青松の海岸」をご存じですか?
文字通り、白い砂浜、青い松がある海岸。瀬戸内海国立公園の中では、
代表的な景観の1つに挙げられています。


 私自身は「白砂青松(はくしゃせいしょう)」という言葉自体を、
ARになってから知りました…。でも、松・砂浜・海の海岸は小さな頃から
とても身近な景色です。


写真:弓削島の松原海水浴場

 今回撮影に行った弓削島の松原海水浴場は、愛媛で残っている数少ない
白砂青松の自然海岸なんです。ここは、環境省が選定する快水浴場百選にも
選ばれています。
※快水浴場百選のHPはこちら↓↓
 http://www2.env.go.jp/water/mizu-site/suiyoku2006/data/index.asp?info=65

 青い海と空に映える白い砂浜と青々とした松林は本当にきれい。
法王ヶ原と呼ばれるここの松林は、県の名勝にも指定されていて、
立派な松もたくさん見られます。

 ここのところすかっと晴れる日が少なく、この日も曇り予報でしたが、
晴天に恵まれて無事撮影ができました。

 新年第一弾ということで、縁起の良い松の話題をお届けしました。

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