ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]

中国四国地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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2007年2月

2件の記事があります。

2007年02月27日グリーンワーカー事業 -松の植栽・唐子浜編-

瀬戸内海国立公園 松山 永田清美

今日の松山はしとしとと静かな雨が断続的に降っています。今日も最高気温は14度位。特別寒い!と感じる日もあまりないまま2月ももう終わりです。

今回は12月の日記にも登場したグリーンワーカー事業(GW事業)をもう一つご紹介したいと思います。

瀬戸内海国立公園を代表する景観の一つである白砂青松の海岸。今治市の南東部に位置し、瀬戸内海の燧灘(ひうちなだ)を望む唐子浜を含んだ約8kmの海岸は日本の渚100選に選ばれています。唐子浜は延長2kmに及ぶ白い砂浜と松林があり、海や空とのコントラストが本当に美しい海岸です。


写真:唐子浜のシンボルとなっている、来島海峡の西水道入口から移設された赤灯台と(奥)赤レンガの旧灯台職員官舎


しかし、近年マツクイムシによる松の立ち枯れの被害が深刻で、大木がたくさん姿を消しました。

写真:松の被害木

そこで景観維持保全のために、唐子浜で松の植栽と漂着ゴミの回収・処分がGW事業として行われました。植栽されたクロマツの苗木は合わせておよそ250本!
唐子浜は夏期以外にも釣りや散策、サイクリングなど小さい子供さんからお年寄りの方までたくさんの方々に親しまれており、地元の方の手によって定期的な清掃も行われています。これからも地域から愛される変わらぬ姿が残っていきますように。
これからの季節、ぽかぽかと晴れた日には砂浜でお弁当でも食べたくなります。砂浜を訪れた際には景色を楽しむとともに、小さな松を見守ってあげてください!


写真:松林を通り抜けるサイクリングロード


写真:植栽された松。大きくなぁれとエールを送りたくなります。

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2007年02月09日マナヅルに遭遇

瀬戸内海国立公園 松山 永田清美

先日調査で重信川(しげのぶがわ)河口を訪れました。
重信川の河口は松山空港の南、松山市と松前町(まさきちょう)の堺に位置しています。このあたりは国立公園ではないのですが、中予地方(愛媛県の地域は東予(東部)、中予(中部)、南予(南部)と大別されます)で唯一の大きな干潟が広っています。四季を通じて野鳥が集まる場所で、愛媛県内でも野鳥観察ポイントの一つになっています。
この日もたくさんの水鳥が羽を休めたり、餌とりにいそしんでいました。


写真:水中に夢中のヒドリガモ


写真:休憩中のオナガガモ

ふと遠くを見ると、カモ、シギ、サギ類とは離れた所になんだか悠然と歩く大きな鳥が1羽。双眼鏡を使って目を凝らしてみても、サギ類ともなんだか様子が違います。写真を撮って事務所で確認するとマナヅルとよく似ており、鳥類がご専門の先生に写真での同定をお願いしたところ間違いないとのことでした。またお話によると、伊予郡松前町と西条市の間を移動している個体だろうとのことでした。今日もたまたま来ていたのでしょうか。


写真:干潟を闊歩するマナヅル

マナヅルは眼の周りが赤く体色は主に灰色で、頭頂から喉や後頸にかけては白色、足は薄紅色のツルで、ツルらしい姿をしていることから漢字では「真鶴(マナヅル)」と書くそうです。愛媛県・環境省の両レッドデータブックの絶滅危惧?類に指定されています。
県内では毎年数羽程度しか確認されないマナヅルに出会えたのはかなり幸運だったのかも。しかし先日、転々と場所を変えるのは越冬に良い環境の場所が見つからないからだ、という新聞記事を目にしたところでした。安心して越冬できる場所を見つけられたらいいなと願い、河口を後にしました。


写真:大きさ比べ

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